捕手として出場機会を増やしている郡司(C)産経新聞社 プロ5年目捕手の郡司裕也が”本職”で奮闘している。 昨年6月に中日からトレードで加入した郡司は移籍後、すぐに勝負強い打撃でアピール、2023シーズンはプロ…

捕手として出場機会を増やしている郡司(C)産経新聞社

 プロ5年目捕手の郡司裕也が”本職”で奮闘している。

 昨年6月に中日からトレードで加入した郡司は移籍後、すぐに勝負強い打撃でアピール、2023シーズンはプロ初本塁打、得点圏打率「.353」と順調に階段を上がった。

【動画】郡司は25日の試合で12号ソロを放つなど、打撃でも存在感を示している

 迎えた2024シーズン、キャンプイン前に三塁を守る清宮幸太郎が負傷で離脱、活躍の場を求めて、三塁を守ることを志願、シーズンに入ると攻守で奮闘した姿を見せた。すべてのプレーに懸命に取り組む姿勢で「ぐんぐん郡司」の愛称もはまり、ファンの支持も拡げた。

 9月に入って目標としていた規定打席にも到達。今季はサード、ファースト、レフトと複数ポジションを守り、ユーティリティぶりも評価されているが、伏見寅威が腰の違和感で今月19日に登録を抹消されたことで風向きが変わってきた。今季伏見とともに先発マスクを任されていた田宮裕涼や、伏見と代わって登録された4年目捕手の古川裕大もいる中で、今季ほとんどマスクをかぶることがなかった郡司が9月20日の楽天戦(エスコン)ではスタメンマスクを託されたのだ。

 捕手としての出場は減っていたが、ベンチにいる間も、投手陣と積極的にコミュニケーションをとり、バッテリーミーティングにも参加するなど、”本職”の準備を怠らなかったという郡司。

 同試合では「8番・捕手」としてドリュー・バーヘイゲンとバッテリーを組んだ。同投手の球を受けたのは試合開始直前でのブルペンが初めてという、ぶっつけ本番状態の中、5回3失点と試合を作った。投げたバーヘイゲンも郡司の好リードをたたえるなど、チームのピンチを救ったのだ。

 さらに「捕手・郡司」の快進撃は止まらない。22日のオリックス戦(京セラ)でも、左腕、加藤貴之と今季初のバッテリーを組むとコントロールが持ち味の左腕の良さを引き出す配球で好リード。この試合では最後までマスクをかぶり続け、加藤の完投勝利を女房役としてアシストした。

 ただ、日ごろ、伏見とバッテリーを組み、「さちとら」バッテリーで知られる山﨑福也とバッテリーを組んだ23日の西武戦は試合を作れなかった。

 チームはレギュラーシーズンに加え、CSの戦いも見据える中で、伏見がいつ戦列復帰を果たせるかは不透明となっており、今季最も捕手として出場試合が多かった田宮もシーズン終盤にきて息切れを感じさせる。日本シリーズに出場経験もある伏見の合流が待たれているが、チームのピンチを救う意味でも、ここにきて出場機会を増やしている”第3の捕手”が機能していることは危機管理の意味でも大きい。

 その郡司は「1番・一塁」で先発した25日の楽天戦(エスコン)では3回に12号ソロを放つなど、打撃でもアピールしている。今季チームの躍進を支えてきた男が、ポストシーズンでも大事な役割を担いそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】日本ハムが今後のポストシーズンを見据えても大事な「整備ポイント」「キーマン」とは

【関連記事】後半戦に猛打爆発! 日本ハム・レイエスから思い出す「レジェンド助っ人」とは

【関連記事】新庄ハムはなぜ強くなったのか? 快進撃を支える若手の躍動 田宮、郡司、水野の「強み」をOB・田中幸雄氏が解説