今シーズンよりイスラエルに活躍の場を移したパトリック・ベバリー(ハポエル・テル・アビブBC)は、コートの内外問わず情熱的で、…

 今シーズンよりイスラエルに活躍の場を移したパトリック・ベバリー(ハポエル・テル・アビブBC)は、コートの内外問わず情熱的で、物怖じしない発言で関心を集めている。そんな36歳のベテランガードが、自身のPodcast番組でかつてのチームメイトである八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)に言及し、さらなる成長に期待を込めてベバリー節の喝を入れた。

 八村はレイカーズ成功の“Xファクター”として飛躍が求められている。しかし、ベバリーは「塁は良いバスケットボール選手だ」と前置きしつつ、プレーを向上させるには精神性や態度を見つめなすべきだと主張した。

「俺にとって、彼はXファクターではない。Xファクターとしてサラリーをもらっているのだから、Xファクターにならなければいけない存在だ。あいつはもっとやる必要がある。『俺がセカンドオプションだ』ぐらいの気概で臨まないと。『AD(アンソニー・デイビス)がいて、レブロン(・ジェームズ)がいて、オースティン・リーブスがいて、D-lo(ディアンジェロ・ラッセル)がいる。そしてADがファーストオプションなら、俺がセカンドオプションだ』というようなマインドセットを求めたいね。そういう考えでいなければならない。なぜなら、彼にはそれが必要だからだ」

 ベバリーの愛のある発言からは、共にプレーした八村に対して未だ内に秘められた選手としてのポテンシャルを感じていたことがうかがえる。現に日本代表のフォワードがレイカーズで成長を遂げているのは事実であり、ワシントン・ウィザーズ在籍時とスタッツを比較すると平均プレータイムと得点こそ僅かに低下しているものの、シュート成功率をより正確に表すエフェクティブ・フィールドゴール・パーセンテージは52.0パーセントから58.6パーセントまで向上。また、勝利への貢献度を示す48分換算のウィンシェアも0.58から1.00に上昇し、昨シーズンはキャリアハイの1.08をマークした。

 さらに、ベバリーはレイカーズが最後に優勝を果たした2019-20シーズンのロスターからカイル・クーズマ(ワシントン・ウィザーズ)を引き合いに出し、同年に違いを生んだ29歳の元レイカーから思い切りの良さを見習うべきと私論を述べている。

「(クーズマは)フロアでボールを持てるサイズのあるウイングだ。難しいショットを放っていたから、みんなカイル・クーズマという男をバカにしていた。でも、そういうショットも必要なんだ。レギュラーシーズンで打つ難しいショットは、試合の最後に打つショットと同じだからだ。塁とは1年一緒にプレーしたが、彼は『7回外したら次は入る』という姿勢ではないと思う。だから、彼がそれを変えられれば、バスケットボール選手としての彼も変わるはずだ」

 八村が一皮剥けるために必要なのは、技術やIQではなく、“自信”だと考えるベバリー。もしかすると、かつてのチームメイトであるハッスルプレーヤーの檄が日本の至宝をさらなる高みに押し上げるかもしれない。

文=Meiji

【動画】「『俺がセカンドオプションだ』ぐらいの気概で臨まないと…」ベバリーが八村について語った映像