2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグと、息子で現在WRC2部門で選手権首位に立つオリバー・ソルベルグが、一瞬しか日の目を浴びることが出来なかったシュコダの伝説のモデル、200RSのテスト走行を行った。 ペターと200RSはいず…
2003年のWRCチャンピオン、ペター・ソルベルグと、息子で現在WRC2部門で選手権首位に立つオリバー・ソルベルグが、一瞬しか日の目を浴びることが出来なかったシュコダの伝説のモデル、200RSのテスト走行を行った。
ペターと200RSはいずれも1974年生まれで、今でも速さを保ち続けているという共通点がある。22歳のオリバーも、今季激戦となっているWRC2を、シュコダの最新鋭ラリーマシン、ファビアRSラリー2で戦っている。
シュコダ200RSは当時、非常に革新的なモデルで、アルミニウム製ボディパネルを採用し、車体重量を約800kgに抑え、4輪にディスクブレーキを装備していた。2Lエンジンは、170馬力以上を後輪に供給。ギヤ比によっては、最高時速は240kmにも達した。
「このマシンを実戦でドライブするのは、特別な経験だったに違いない」と、登場から50年経ったこのマシンをドライブしたペターは語った。
「エンジンのトルクがあるので、ドリフトした時のコントロールがしやすいね。後ろに積んだエンジンの重量がトラクションを生み、バランスがよくてドライブしやすい」
200RSは1974年5月に、当時のチェコスロバキアで開催されたIDAラリーでデビューを飾った。数週間後、シュコダは、バルムラリーとラリーシュコダに2台をエントリーさせており、 赤と白にカラーリングされた2台のシュコダ200RSが、姉妹車のシュコダ180RSと並んで競い合った。
シュコダのエンジニアたちは、強力なライバルと互角に戦える一流のラリーカーを開発したが、結果は異なるものとなった。規定が変わったことにより、180RSと200RSのキャリアは早々に幕を閉じることとなった。プロトタイプのホモロゲーションは、ラリーに参加することが認められなくなったのだ。ラリーに参戦が許されるのは、市販モデルをベースにしたラリーカーだけとなった。この結果、200RSは2台、180RSは1台しか製造されることはなかった。
しかし、この経験は、シュコダ110Rをベースにした新しいラリーカー、シュコダ130RSの開発に存分に活かされた。130RSを駆るシュコダのドライバーは、1983年まで国内外のラリーで成功を収めた。こうした伝統を受け継ぎ、シュコダは現在のスポーティなロードカーにRSの名称を使用している。
なおオリバーは今週末、自身初のWRC2タイトル獲得を目指して、WRC第11戦ラリーチリ(グラベル)に、ファビアRSラリー2で参戦する。
https://youtu.be/53iGeeAXxio?feature=shared