勝点32で並ぶ17位の湘南ベルマーレと18位のジュビロ磐田のどちらが有利かはファンによって見解が異なるかも知れないが、…

 勝点32で並ぶ17位の湘南ベルマーレと18位のジュビロ磐田のどちらが有利かはファンによって見解が異なるかも知れないが、計算上は残り試合が1試合多い磐田にややアドバンテージがある。

 8月末の横浜F・マリノス戦が台風の影響で延期になったことによるものだが、結果的に3週間のインターバルができたことで、代表ウィークを含む中断明けに向けた良い切り替えが、”6ポインター”の柏レイソル戦での勝利につながった。

 その流れからすれば、故・スキラッチ氏の追悼試合ともなったホームのアビスパ福岡戦で、今シーズン2度目の連勝を飾りたかったが、J1残留に向けて舵を切った横内昭展監督のもと、課題だった前半の失点をなくし、最低でもスコアレスで後半の勝負に持ち込むというベクトルはチームが共有できている。古川陽介の欧州移籍で攻撃のオプションは減ったが、左サイドバックが本職だった高畑奎汰のサイドハーフ抜擢で、むしろ守備の安定と攻撃の推進力という両面をベースアップできた。あとは勝点3を取っていくための得点源が、今シーズン15得点のジャーメイン良の他にも欲しいところだ。

 分かりやすいキーマンとしては夏に加入したFW渡邉りょうの名前があげられる。前線からの精力的な守備と鋭い動きだしを発揮しており、ジャーメインとの2トップがファーストセットとして固まってきている。ただ、ゴールはまだ柏戦のダイビングヘッドによる1得点のみ。やはり周囲とのコンビネーションが鍵で、左の高畑からのクロスはもちろんだが、セレッソ大阪の同僚だったジョルディ・クルークスとのホットラインにも期待がかかる。クロスからの得点力ということでは、出場停止だった2試合も含めて10試合ゴールから遠ざかっているFWマテウス・ペイショットにも期待がかかる。

■波に乗りかけた湘南だが……

 磐田は一巡目で歯が立たなかった広島、ヴィッセル神戸ガンバ大阪という上位との試合も残している。そういった相手から勝点を奪えれば成長の証にもなるが、その前に磐田から比較的、近距離の豊田スタジアムで行われる名古屋グランパス戦で、最低でも勝点1、できれば勝点3を獲得して、ここからの残留争いをさらに有利にしていきたいところだ。そして最終節にアウェーの鳥栖戦を迎えるが、その時に現在は最下位の鳥栖が、残留の可能性を残しているかどうかも1つのポイントになるかも知れない。

 現在17位の湘南は夏場に一度波に乗りかけたが、第27節のホーム柏戦で敗れてから1勝4敗と失速してしまった。さらにFWルキアンが、新潟戦の一発退場により、その後3試合の出場停止に。その新潟戦で前半の終わりに負傷交代した池田昌生が離脱。復帰時期の見通しも明らかになっておらず、チャンスメイカーとエースを同時に失ってしまった状況だ。

 この状況を救えるのは1ー2と敗れた前節のセレッソ大阪戦で今シーズンの6点目を決めた鈴木章斗、そして池田の負傷を受けて、左ウイングバックからシャドーに移った小野瀬康介か。小野瀬は度重なる怪我に泣かされるシーズンになっているが、山口智監督の愛弟子でもあり、攻撃で違いを作れるタレントとして本領を発揮できるかどうか。

■湘南の勝機をつなげるポイント

 湘南は磐田より1試合少ないが、残り7試合中、ホームを4試合残している。まず今週末にある鹿島アントラーズとの試合で勝点3をものにしたいが、アウェーではFW鈴木優磨に、後半の早い時間帯に2ゴールを許し、試合を決定付けられてしまった。前節のセレッソ大阪戦も相手エースのレオ・セアラに2得点されており、そうしたエース級の相手を止め切ることが、勝機をつなげるポイントになることは間違いない。その意味では元鹿島で、対人能力に自信を持つキム・ミンテの奮起に期待したいところ。

 また、先述した鈴木や小野瀬に加え、攻撃面ではベテランの阿部浩之が流れはもちろん、セットプレーのキッカーとしても命運を握る。

 湘南にとっては最終節にアウェーのヴィッセル神戸戦という残りカードでは最も厳しいと見られる試合が待つ。前回王者の連覇がかかるもしれないシーズンのクライマックスまで、残留争いのライバルに対して、少しでも有利な状況を作っておきたいが、少なくともルキアンと池田がいない今後の数試合で何とか勝点を取って、10月の代表ウィークによるインターバルを迎えられるかどうか。

(取材・文/河治良幸)

(後編へつづく)

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