怒涛の勢いで個人成績を伸ばしている大谷。(C)Getty Images その勢いはとどまるところを知らない。ドジャースの大谷翔平だ。 現地時間9月19日に行われたマーリンズ戦でメジャーリーグ史に輝く「シーズン50本塁打・50盗塁」を…

怒涛の勢いで個人成績を伸ばしている大谷。(C)Getty Images

 その勢いはとどまるところを知らない。ドジャースの大谷翔平だ。

 現地時間9月19日に行われたマーリンズ戦でメジャーリーグ史に輝く「シーズン50本塁打・50盗塁」をマークしてから勢いは増す一方だ。6打数6安打、3本塁打、10打点、2盗塁を記録した“伝説の一戦”からの直近4試合では、打率.778(18打数14安打)、5本塁打、13打点、出塁率.800、長打率1.722、OPS2.522、6盗塁と無双状態である。

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 すでに30本塁打、30盗塁をクリアしている大谷は、打率も.301に乗せ、日本人選手初のトリプルスリー達成も現実味を帯びてきている。そんな日本人スターの躍動に長く続いていた“論争”にも終止符が打たれている。

 米全国紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者は、大谷とフランシスコ・リンドーア(メッツ)の間で起きていたMVPを巡る論争について言及。自身のXで「ナ・リーグMVP論争はあっという間に終わった。それは確かだ。ショウヘイ・オオタニが3度目の満場一致のMVPを受賞するだろう」と断じた。

 たしかにリンドーアもMVP級の活躍を見せてきた。ただ、ここにきて彼にはアクシデントも生じている。現地時間9月13日のフィリーズ戦で腰痛のため途中交代を余儀なくされると、15日の同戦で1打席交代をしてからは、22日に本拠地で行われたフィリーズ戦まで7試合連続で欠場中なのだ。

 さらにMVPを決める上で近年に重視されている指標も「大谷優位」の向きが強まっている。打撃や走塁、守備、投球を総合的に評価して貢献度を表す『WAR』で、米野球専門サイト『Baseball Reference』のそれは大谷が1位で8.1、リンドーアは6.6で3位。さらに米データサイト『Fan Graphs』でも大谷は8.0で1位。一方のリンドーアは7.4で2位と大きな差をつけている。

 もはや3度目のMVP受賞は「必然」とも言える状況だ。それだけにドジャースの地元紙『Los Angeles Times』のビル・プラシュケ記者は「今年のオオタニがMVPにふさわしくないなら、何がMVPにふさわしいのだろうか」と断言。そして、こう論じている。

「歴史的に投票権を持つ記者たちは打つだけのDH選手を嘲笑してきた。しかし、オオタニは、野球史上で誰も成し遂げたことのない、あるいは今後も成し遂げられることもないであろう偉業を成し遂げたのだ。異様なパワーと短距離走者の技術を融合させ、野球界に存在したことのないタイプの完璧な打者を作り上げたのである」

 米球界内でも受賞の声が高まっている大谷。チームのタイトル争いも続くなかでの活況は、間違いなく彼が望んだ「ヒリヒリする9月」だと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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