9月9日に開幕する六大学野球の秋季リーグ戦。4年生にとっては学生野球の集大成として臨む秋の陣だけに、一戦一戦の激しさがより増すことだろう。今回は大勝負を直前に控えた、各校の4年生に集結してもらい座談会を開催。最後のリーグ戦に懸ける意気込みはもちろん、学生生活や普段は聞けない相手大学の印象などをざっくばらんに聞いた。
(インタビュー日時:8月26日 東京六大学野球オールスターゲームin宮崎。写真=左から立教・笠松、早稲田・大竹、明治・中野、慶應・照屋、法政・熊谷、東大・宮台))

「秋は常にフルスイングで来る慶應が怖い」

--いよいよ最後のシーズンが迫って来ました。春季リーグは優勝決定(立教が18年・35季ぶり優勝)が最後までもつれ込む大混戦。秋にマークしている大学や選手はいますか。

宮台康平(東大:湘南 17年春リーグ戦成績0勝3敗 防8.17 昨春には完封勝利するなどプロも熱い視線を注ぐサウスポー) 
慶應大学ですね。全員が真っすぐに強い印象があるのでやりづらい。自分の武器がストレートと分かっているから対策を練ってくるし、それに対してフルスイングしてくる。マウンドにいても圧力を感じます。

熊谷拓也(法政:平塚学園 17年春リーグ戦成績0勝2敗 防3.71 最速150キロを超えるストレートで相手をねじ伏せる剛腕投手) 
自分も慶應ですね。僕のストレートに対しても、しっかりと振って来る印象が強いです。

大竹耕太郎(早稲田:濟々黌 17年春リーグ戦成績0勝2敗 防3.12 多彩な変化球を武器に神宮通算10勝をマーク)
その中でも特に岩見(雅紀)選手は春の成績が示すように、長打力(5本塁打)があるので非常に怖い存在ですよね。

照屋塁(慶應:沖縄尚学 17年春リーグ戦成績11安打0本塁4打点 打率.239 主将さらには守備の要としてチームをけん引)
たしかに、ウチはバッティング練習の時間が長いですし、強く振る意識はチーム内にも浸透していると思います。なかでも自分のチームではあるけど、岩見は秋も注目選手じゃないかなと(笑)。ユニバーシアードの日本代表(8月20日~29日まで台湾で開催されて日本代表が優勝)メンバーにも選ばれたし、秋はさらにパワーアップした姿が見られるんじゃないかと期待しています。

--秋は慶應打撃陣に要注意の声が多いようですね。ちなみに事前に取ったアンケートでは6人中4人が「もし、自分が他大学でプレーできるならどのチームが良い?」の質問で慶應と答えていました。

中野速人(明治:桐光学園 17年春リーグ戦成績2安打0本塁0打点 打率.222 堅実な守備とガッツ溢れるプレーで常勝・明治を引っ張る主将)
明治と一番対照的なチームかなと思って慶應と書きました。プレーする姿を見ても、選手間でノビノビと思い切ってやっている。すごく楽しそうに野球をやっていますよね。次に違うチームに入ると想像すると、自分は対照的な雰囲気の大学でプレーしたらどうなるのかと興味があります。

笠松悠哉(立教:大阪桐蔭 17年春リーグ戦成績16安打2本塁16打点 打率.348 主砲として今春はチームを18年ぶり優勝に導く活躍) 
法政ですかね。エンドランやバントとか小技をどんどん絡めてくるチーム。自分たちも機動力を使える野球を目指していきたいし、そうなればもっとチームとしてのバリエーションも広がると思うんですよ。まあ、自分はあまり走れないですけどね(笑)。

「早稲田はいろいろルールがあって・・・心臓バクバクでした!」

--ここからはもう少し皆さんに各大学のカラーを聞きたいと思います。それぞれのチームならではルールを教えてもらえますか。

熊谷(法政)
ルールですか・・・。そんなにはないですけど、『風呂のイス出し』はあります。例えば、後輩が先にお風呂に入っていて、先輩が来たらシャワーの前に「どうぞ・・・」と言ってイスを置くんですよ。自分が入学したときからあった決まりでした。いまは自分が置いてもらう立場になりましたけどね(笑)。

笠松(立教)
明治とかは厳しそうなイメージがあるけどどうなの。

中野(明治)
やっぱり細かいところまで指導される。挨拶や返事はもちろん、ゴミ拾いや寮内でもスリッパをしっかり並べたり靴をきれいに入れるなど・・・本当に細かいところまで常に気を引き締めて、生活するようになった。4年間で人間力は上がったかな。

大竹(早稲田)
ウチは部内のルールがすごくあって、入学早々は学ランに学帽を被って授業を受けたり、先輩とは同じ車両には乗れないとかがあった。今回はオールスターでの宮崎遠征ということで、短パンでOKだったんだけど・・・さっき、その格好でトイレに行ったら高橋(広)監督とすれ違って、心臓バクバクでしたね。

--皆さんは4年生やキャプテンという立場ですが、中心選手としてチームメートに意識して声などは掛けたりしていますか。

宮台(東大)
個人としてはそんなにないですが、練習前に全員集まって確認することがあります。「人として、東大野球部員であるということを肝に銘ぜよ」という言葉を言って、野球選手である前に東大野球部員ということを徹底します。人から見られる存在なので、普段の生活からしっかりしようと意識しています。

中野(明治)
一番心がけているのは、まずは選手一人一人と腹を割って話せる、何でも言い合えるような信頼関係、コミュニケーションを取れる環境を構築すること。実力や技術で部員を引っ張ることは、去年までいた柳(裕也・現中日)さんたちみたいな人のようにはできないので、何でも言い合える仲を作っていますね。

照屋(慶應)
ウチは選手主体でやるっていうのが特徴的なところ。そういう環境でプレーすることに対して、自覚を持って練習などに取り組むように主将として意識しています。選手主体でやるのはそれなりの責任もありますが、いまは良い雰囲気でできているのかなと思いますよ。

「春の成績は関係ない。粘り強い野球で立教は挑戦者として戦う」

--なるほど。やはり皆さんが中心選手として担う役割は大きそうですね。では、最後に9月9日からの秋季リーグに向けての抱負をお願いします。

笠松(立教)
リーグ戦は何が起こるか分からないし、秋も勝てるかって言うとそうじゃない。なので、挑戦者の気持ちを持って臨みます。そうすれば、春みたいに粘り強い野球をするために、思い切ってプレーできる。日本一になったのは春の話。秋は秋で、気持ち新たに頂点を狙っていきます。

照屋(慶應)
やっぱりリーグ戦優勝しかないですね。あとは早慶戦に勝つこと。慶應の選手である以上は特別な一戦であるし、早稲田に勝つのはチームとしての目標です。

熊谷(法政)
自分も目標は優勝。法政は優勝から遠ざかっています。個人的には最後のリーグ戦になるので、有終の美を飾れれば特別な思いにも浸れると思うので全力で戦っていきたいでね。

大竹(早稲田)
勝ち点5ですね。そうすれば必然的に優勝。2年生の春秋に優勝(春は最優秀防御率を獲得)して、最後となる4年生で勝ってチームメートと喜びたいなという気持ちがすごく強くなった。負けることはあっても、粘り強く戦って勝ち点にこだわりたいです。

中野(明治)
日本一です。昨年は春秋を連覇しましたが今春は5位。もう一度選手みんなで奮起して、自分たち最後のリーグ戦で優勝して、去年成し遂げた日本一をつかみ取りたい。そして、明治大学野球部を引退したいと思っています。

宮台(東大)
東大は春全敗で終わってしまいました。なので、まずは勝ち点を取るというのが目標。個人的にも、自分が投げる試合でチームを勝利に導けるようにしていきたいです。