FC東京との重要な一戦を2つのミスから0-2で落とした浦和レッズ。10年ぶりの埼玉スタジアム凱旋となった原口元気は「ホ…
FC東京との重要な一戦を2つのミスから0-2で落とした浦和レッズ。10年ぶりの埼玉スタジアム凱旋となった原口元気は「ホームゲームですし、これだけ沢山のサポーターが来て、いい雰囲気を作ってくれる中で、あまりにもパワーがないかなとは思いましたし、勇気も足りなかったかな」と落胆。自身のパフォーマンスについても「僕自身も流れを変えるまでには至らなかった。悔しいっすね」と不完全燃焼感を吐露した。
半年ぶりに戻ってきたマチェイ・スコルジャ監督とともに「チームの救世主」として大きな期待を背負う原口。背番号78が入ったのは後半16分。最初はチアゴ・サンタナの背後のセカンドトップ的に入り、ゴールに直結する仕事を求められたが、思うようにボールが入ってこない。
「本当は我慢して前でチャンスを狙いたかったんですけど、僕もちょっと焦れて、後ろ下がり始めたので、それもあってか分からないけど、監督の指示でボランチに戻りました」と本人は熱望する10番の位置で起用されながらよさを出せなかった悔しさをにじませた。
■「あまりにも静か過ぎるというか、パワーが足りない」
ボランチに下がってからはビルドアップに精力的に参加。ドイツ仕込みのデュエルの強さを発揮して、ウニオン・ベルリン時代の元同僚・遠藤渓太から2度のボール奪取にも成功した。さらに終盤にはゴール前に侵入する長沼洋一に精度の高いロングパスを供給。質の違いを垣間見せたが、最終的にゴールを演出することはできなかった。
「何回かいいプレーはあったと思いますけど、流れを変えるほどではなかったし、結果が変わったわけでもないので。僕自身に対しても、厳しい目で見なきゃいけない。もちろんチームとしても、ホームで0-2で負けるっていうのは、あまりにもふがいない。その後のリアクションを含めて、あまりにも静か過ぎるというか、パワーが足りないかなと思いました」と彼は厳しい表情で語ったのだ。
確かに、今の浦和は全体的に”こじんまりまとまっている”という印象が拭えない。今季途中に酒井宏樹、岩尾憲、アレクサンダー・ショルツ、伊藤敦樹という大きな個の力を持つ面々がチームを離れたのだから、仕方ない部分はある。
とはいえ、もっとエゴを出したり、強烈なストロングを発揮する選手がいてもいい。10年ぶりに戻ってきた原口が「試合前も静かだったし、全体的に静かなので…。ホームゲームなんでもっと情熱的にプレーしたい」と注文をつけたくなるのも頷ける話だ。
「新しいメンバーが入ってきて、ホントに全員がリーダーシップを取って行かないといけない」と原口とボランチコンビを組んだ安居海渡が言えば、関根貴大も「もっとポジティブな声掛けが必要」と語気を強めるように、選手たちも原口の言わんとするところを頭では分かっている。ただ、新戦力や連携が確立していない面々が入ってくると、それぞれのよさをどう引き出し合うべきか戸惑ってしまう…、ということなのだろう。
「元気君は自分を表現するのがうまいですし、周りと積極的にコミュニケーションを取って行く。そこに向かって合わせていく方が自分もやりやすくなる。その相乗効果を促せるように、元気くんだけを見てプレーする時間帯があってもいいのかなと思います」とも関根は神妙な面持ちで言う。原口という高度な国際経験値を持つ人材を中心に新たな組織が生まれ、機能するようになれば、今回の後半に見られたようなバラバラ感はなくなっていくのではないか。
■関根が原口に感じること
もちろん、そのためにも原口自身がコンディションをトップに引き上げ、先発でフル稼働できるように仕向けなければいけない。それは必須テーマだ。欧州から日本に戻った選手は往々にしてフィットするまでに時間がかかるもの。昨季MVPの大迫勇也(神戸)も本来の鋭いゴール間隔を見せるようになるまで1年以上の時間を要している。
「元気くんは33歳で、海外最後の年に試合に絡めなかったのに『こんなに動けるの?』と思うくらいなんで、僕は何も心配していません」と同じく海外復帰組の関根も太鼓判を押していた。後輩の前向きな声に呼応し、背番号78は可能な限り、迅速にチームに適応し、圧倒的違いを見せていくべき。
今の苦境を救えるのは、やはりこの男だろう。原口には大きな影響力を示してほしいものである。
(取材・文/元川悦子)