敵地のファンからの歓声に応える大谷。(C)Getty Images  苦渋の決断を下してからちょうど1年――。大谷翔平は、有言実行と言える「結果」を出した。 現地時間9月19日、ドジャースの大谷は、敵地でのマーリンズ戦…

 

敵地のファンからの歓声に応える大谷。(C)Getty Images

 

 苦渋の決断を下してからちょうど1年――。大谷翔平は、有言実行と言える「結果」を出した。

 現地時間9月19日、ドジャースの大谷は、敵地でのマーリンズ戦に「1番・DH」で先発出場。6打数6安打3本塁打2盗塁10打点17塁打という衝撃的な活躍で、史上初となる「シーズン51本塁打・51盗塁」を達成した。初回と2回に回ってきた2打席で2つの盗塁を成功させてシーズン50盗塁に到達すると、第4打席からは圧巻の3打席連続本塁打をマークし、偉業をやってのけた。

【動画】6安打10打点2盗塁!「51‐51」を達成した大谷翔平の全活躍シーン

 奇しくも1年前の同じ日、大谷はキャリアにおいて重大な決断を公表していた。23年9月19日(現地時間)に自身のInstagramを更新した背番号17は、「できる限りハードワークをし、今まで以上に強くなってダイヤモンドに戻ってこられるようにベストを尽くす」と宣言。2度目のトミー・ジョン手術の執行を報告していた。

 FAイヤーの完走を目前にした中での治療の決断は容易ではなかったはずだ。とりわけ「何度も受けるものじゃない」(元MLB投手ジョン・スモルツ氏談)と言われるトミー・ジョンのような肘への手術は、再起にも時間を要する。実際、MLBで2度のトミー・ジョン手術を執行した選手は約19か月のリハビリを強いられるというデータもある。ゆえに大谷も「24年は苦心するのではないか」と予想する声もあった。少なくとも当時に「51-51」をやってのけると確信していた者はいなかったはずだ。

 しかし、大谷は「今まで以上に強くなって」戻ってきた。あくまで打者だけだが、彼は、“神様”ベーブ・ルースなど歴史的な強打者たちもたどり着けなかった前人未到の領域に足を踏み入れたのだ。これを「今まで以上」と言わずして何と言えるだろうか。

 無論、舞台裏での鍛錬や努力の量は想像に難くない。それは51-51に「泣きそうになった」というドジャースの遊撃手ミゲル・ロハスが「俺は舞台裏で見ているものに感銘を受ける」と証言する通りだ。味方をも驚かせるプロフェッショナルな姿勢には、大谷の決意の強さも滲み出る。

 ここまで来るのには紆余曲折があった。新天地ドジャースで迎えた開幕直後には信じていた“盟友”の裏切りに「気持ちを切り替えるのは難しい」とくじけそうになった時もあった。そうした中で、己を信じ続け、努力を重ねてきた。そんな大谷にはただただ脱帽するしかない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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