第42回ローズS(15日/GII、中京芝2000m)にはダービー5着のレガレイラ、オークス4着のクイーンズウォーク、フローラS3着の実績があるカニキュルなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「カニキュル」を取り上げる。

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■カニキュル

【中間調整】昨年11月に東京芝2000mの未勝利戦を快勝。その後骨折があり長期離脱を余儀なくされたが、復帰戦のフラワーCで6着、そしてフローラSでは3着に入ってみせた。その後、惜しくもオークス切符獲得ならなかった憂さを晴らすように6月の1勝クラス・三浦特別を快勝。以降、夏は休養に充て、得意の左回りで行われるローズSでラスト1冠への権利獲得を目指すことに。

8月22日に帰厩し、25日に坂路単走で初時計。2週前のウッド追いは序盤から飛ばす意欲的な内容だったが、最後はやや勢い鈍ったものの馬なりを保って走れていた。1週前追いは菊沢師が騎乗し、準オープン馬2頭を追走。ここでは2週前にしっかり動かした効果か、いくぶんシャープさを増し最先着としている。

【最終追い切り】レース当週は中京への輸送を考慮しウッド単走調整。緩めに入りたいところだったが、気負いがあるのか掛かり気味に進んで行き、発汗も目立つ。直線に向いてもギアチェンジに一瞬手間取ったが、ラストは体を使って悪くない伸びを示した。

【見解】スタミナ維持に長けたタイプで、攻めではラストまで馬なりを保って悠然と伸びることができている。とはいえテンション面に課題を抱える馬らしく、最終追いではイレ込み気味だったのが気になるところ。フローラS、三浦特別と好走した近2走では最終追いを併せ馬で行えていたが、今回は単走で行わざるを得なかったあたりも精神面の危うさゆえか。同様に休み明けで“ガス”が抜けていなかったフラワーCも最終追いは単走。そのフラワーCは結局レース前のイレ込みがキツく、発汗が目立つ状況で本番を迎え、0秒3差だったとはいえ勝ち負けには加われなかった経緯がある。今回はそのフラワーCを思い起こさせる雰囲気にあり、くわえて自身初の関東以外でのレース。能力や舞台適性の高さは認めつつも、全幅の信頼まではどうか。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。