シナー、全豪オープンに続いてグランドスラム2勝目 現地9月8日、「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)男子シングルス決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)は、第1…
シナー、全豪オープンに続いてグランドスラム2勝目
現地9月8日、「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)男子シングルス決勝が行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)は、第12シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同12位)を6-3、6-4、7-5で下し、同大会においてイタリア人男子初のタイトルを獲得し、自身グランドスラム2勝目を挙げた。
【動画】世界1位のシナーがフリッツを下してグランドスラム2勝目!優勝の瞬間&マッチハイライト
今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たし、6月には世界ランク1位に立った23歳のシナー。前哨戦のATPマスターズ1000シンシナティでは、今季5勝目を挙げて今大会を迎えた。
2022年のベスト8が最高成績だった全米オープンは6度目の出場。危なげなく勝ち上がると、準々決勝では2021年大会チャンピオンのダニール・メドベデフ(同5位)、準決勝でジャック・ドレイパー(イギリス/同25位)を下して、イタリア人男子として初めて同大会決勝に進出しグランドスラム2勝目に王手をかけた。
対する、26歳のフリッツは今季ツアー2勝を挙げており、グランドスラムでも全豪オープンとウィンブルドンで8強入り。9度目の全米オープンでは、4回戦でキャスパー・ルード(ノルウェー/同8位)、準々決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同4位)の2人のトップ10を撃破すると、準決勝では同胞のフランシス・ティアフォー(アメリカ/同20位)をフルセットで下して、初めてのグランドスラム決勝に進んだ。2003年大会を制したアンディ・ロディック以来、アメリカ人男子として21年ぶりのグランドスラム制覇を狙う。
直接対決では1勝1敗と勝ちを分け合っている2人。だが、この1年で世界の頂点にも経ち、タフな戦いを制しているシナーが、先手を奪う。堅実なプレーでフリッツを左右に揺さぶり、ミスを誘発。第1ゲームでブレークに成功する。第3ゲームをラブゲームでキープし落ち着きを取り戻したフリッツが、粘り強さとチャンスを逃さない強打が決めて、第4ゲームではブレークバックを許した。それでも高いレベルを維持したシナーが、第7、第9ゲームを破って6-3でセットを奪う。
第2セットは互いに好サーブを放って、ストロークの精度も上がる。セット終盤までサービスキープし膠着状態が続き、このままタイブレークにもつれるかと思われたが、第10ゲームでフリッツのバックハンドにミスが出て、シナーがワンチャンスを生かしてブレーク。このセットアンフォーストエラーがわずか1本と、6-4でセットを連取した。
勝利まであと1セットとしたシナーは、第3セットの立ち上がりで0-40とブレークポイントをしのいだものの、第7ゲームでは前後左右に揺さぶられて再びピンチに。ここでダブルフォールトが出てしまい、ついにフリッツがブレーク。これにファンも一番の盛り上がりを見せて、地元アメリカのフリッツを後押しする。それでも、簡単にセットを落とさないのが世界ナンバーワンたるゆえん。第10ゲームでは我慢強くラリー戦でフリッツを崩してブレークバック。6-5の第12ゲームでも勝負強さを発揮し、プレッシャーをかけて2度目のブレークに成功し、フリッツのフォアハンドがかかった瞬間、両手を天に掲げた。全豪オープンに続いてグランドスラム2勝目を挙げたシナーは、イタリア人男子として同大会で初めての優勝者となった。
一方、アメリカ男子として2009年ウィンブルドンのロディック以来、15年ぶりとなるグランドスラム決勝に進んだフリッツ。初めての大舞台でキャリア最大のタイトルを獲得することはできなかった。