現地9月7日、NFLレギュラーシーズンが開幕する。第1週、最も注目すべきはどちらも優勝候補の一角であるグリーンベイ・パッカーズとシアトル・シーホークスの一戦だ。勝負の鍵は昨シーズンNFL4位となる1試合平均27得点したパッカーズの強力な攻撃が、NFL3位となる1試合平均18.2失点を記録した、シーホークスの堅い守備を攻略できるかだろう。

パッカーズの攻撃のストロングポイントはQBアーロン・ロジャースとWRジョーディー・ネルソンを中心としたパス攻撃だ。ネルソンは昨シーズンNFL最多の14TDを拳げ、スピードと競合の強さを持つ、パッカーズ不動のベストレシーバーだ。WRデヴァンテ・アダムスも対戦する守備にとっては無視できない存在だ。昨シーズン12TDはネルソンに次いでチーム内2番目の記録、1捕球あたり13.3ヤードを獲得したプレーメーカーだ。昨シーズン投げられたパスの7割以上を捕球している、WRランデル・コブ、タイ・モンゴメリーも頼れるパスターゲットだ。また、オフシーズンに獲得した元ニューイングランド・ペイトリオッツのTEマーテラス・ベネットは、的の大きさとスピードがある。ロジャースのターゲットは昨季以上に充実しているといっていいだろう。

迎え撃つシーホークスの守備は、リージョン・オブ・ブーム(※)と呼ばれるNFL最強のセカンダリーを擁している。CBリチャード・シャーマンは6年のキャリアで30インターセプトを記録しているトップ選手だ。191センチ105キロと体が大きくパワーがあるSSカム・チャンセラーと、178センチ92キロと小柄ながら素早さと判断力に長けるFSアール・トーマスのコンビは、FL史上最高と評価するアナリストもいる。シーホークス守備はカバー能力もさることながら全員がタックルを得意としているためRACによる喪失が少なく、昨シーズンは7位、2015年は2番目に少なかったのも強みだ。

2012年以降、5回の対戦成績はパッカーズ2勝に対してシーホークスが3勝。シーホークスが勝ち越しているものの、どの試合もホームチームが制している。今回はパッカーズのホームゲームとなっているため、その点ではややパッカーズが有利と言えるだろう。しかし、パッカーズは2012年から2016年の間でシーホークスに対して、パス獲得ヤードが平均217ヤードと、同期間の全チームに対する平均266.6ヤードを約50ヤード下回っている。ネルソンはキャリアを通して1試合あたりの平均61.1ヤードを獲得している選手だが、対シーホークスでは、シャーマンらのカバーを振り切れず、1試合あたり40.4ヤードに止まっていることが一因だ。そこで攻略の緒となるのがアダムスだ。昨シーズン14週でのシーホークスとの対戦では66ヤードのロングゲインを含む104ヤードを獲得している。同様のパフォーマンスを見せることができればパッカーズの勝利が見えてきそうだ。しかし、アダムスのロングゲインは負傷欠場していたトーマスの穴を突いたプレーであることも事実だ。昨シーズン、プレーオフでアトランタ・ファルコンズがシーホークス守備から36点を拳げた際はオーディブルとマンインモーションを多用することでアサインメントミスを誘発していた。パッカーズも似たような手法を取る可能性も考えられる。

また、パッカーズからシーホークスに今オフに移籍したRBエディー・レイシーが古巣相手にどういった試合をするか、といった面でも注目されている。さらにシーホークスDLマイケル・ベネットとパッカーズのマーテラスは兄弟であるため、TEのマーテラスが直接マイケルをブロックする兄弟対決も十分に有り得る。見所に欠かない、一瞬足りとも目の離せない試合が期待できるだろう。

 

※アメコミ『ジャスティス』の悪役集団、リージョン・オブ・ドゥーム(破滅の軍団)にちなんで名付けられた