聴覚に障害があるアスリートたちの国際スポーツ大会「デフリンピック」に出場するサッカー男子日本代表候補チームがこのほど、秋田市で合宿した。市内の子どもたちとも交流し、一緒にピッチを駆け回りながら「デフサッカー」の魅力を伝えた。 デフリンピッ…
聴覚に障害があるアスリートたちの国際スポーツ大会「デフリンピック」に出場するサッカー男子日本代表候補チームがこのほど、秋田市で合宿した。市内の子どもたちとも交流し、一緒にピッチを駆け回りながら「デフサッカー」の魅力を伝えた。
デフリンピックは4年に1度開かれる国際的な「ろう者のためのオリンピック」。フラッシュランプを光らせたり、旗や手を使った合図を多用したりして「目」でわかる工夫がされる以外、競技上のルールはオリンピックとほぼ同じだ。
デフサッカーの合宿(8月23~25日)には選手22人が参加した。昨年に続く2度目の秋田合宿で、今回は公開練習のほか、秋田商業高校、大曲工業高校とのトレーニングマッチにも臨んだ。
八橋運動公園であった交流会では、小学生26人が「音のない世界」を体験。初めに、拍手やあいさつ、試合で着用するビブスの色などについて、手話表現を学んだ。
耳の聞こえない人にボールをつなぐ方法などを選手から教わると、児童と選手の混成チームによる試合にも挑戦。子どもたちはアイコンタクトや身ぶり手ぶりを交えながら意思の疎通を図り、デフサッカーを楽しんだ。
友だちから手話を教わって興味がわいたという小学3年の斎藤夏稀さん(9)は「聞こえなくてサッカーができるのかなと不思議だったけど、やってみたらすごく楽しかった。手話で伝えながらスポーツができるのってすごい」と息を弾ませていた。
日本代表チームの吉田匡良監督(42)は「私たちは優勝を勝ち取りにいくと闘志を燃やしている。みなさんの応援が必要です」と話すとともに、「ただ残念ながら、来年のデフリンピック開催の認知度は20%にすぎない。子どもたちとの交流などを通じて大会への関心が高まってくれたら」と期待を寄せた。(阿部浩明)
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〈デフリンピック〉 耳が聞こえないという意味のデフ(Deaf)とオリンピックに由来。夏季大会と冬季大会が交互に、2年ごとに開かれる。2025年11月15~26日の12日間、日本で初めて東京を中心に開催される。東京都スポーツ文化事業団の準備運営本部によると、21競技に70~80カ国・地域から約3千人の選手が参加予定だ。