今週末は、第69回京成杯オータムハンデ(GIII、中山芝1600m)が行われる。
春のGI戦線で2着2回のダイワメジャー産駒アスコリピチェーノ、前走関屋記念2着から臨むリオンディーズ産駒ディオ、中山マイルで馬券外のないシルバーステート産駒エエヤンなど、多彩な血統構成の馬が集結。
ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。
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■近年大活躍の“トニービン持ち”
野芝開催の開幕週とあって、逃げ・先行馬が強いというのが大前提。中山開催過去10回分の京成杯AHにおける脚質別の成績を調べてみると、逃げ先行馬が【5.6.6.34】で複勝率33.3%、複勝回収率141%に対し、差し追込馬は【5.4.4.83】で複勝率13.5%、複勝回収率45%に留まる。まずは前に行ける馬を中心に組み立てたい。
逃げ先行馬のなかで特に注目したいのが、ディープインパクト産駒とトニービン内包馬。
前者は【1.4.0.3】で連対率62.5%&複勝回収率286%と高打率&ハイリターンなのだが、残念ながら今年は該当馬なし。
よって必然的に注目すべきは後者ということに。
同じく中山開催過去10回分の当レースにおける「トニービンの血を内包する逃げ先行馬」の成績は【3.0.2.5】で勝率30.0%、複勝率50.0%。単勝回収率181%&複勝回収率145%なので、ベタ買いOKの数字となっている。
特に近年の躍進には目を見張るものがあり、19年&20年連覇のトロワゼトワルや20年13人気3着のボンセルヴィーソ、昨年の勝ち馬ソウルラッシュなど、活躍馬を次々と送り出している。
位置を取ったうえで長く脚を使って押し切るような競馬がこのレースにおける理想形。トニービンの長く良い脚を使える特徴が活きるということだろう。
■機動力秘める母系のコラソンビート
今回注目したいのは、トニービン持ちの馬。ここでは該当馬のコラソンビートをピックアップする。
コスモチェーロの牝系出身で、近親には香港ヴァーズ、日経賞、オールカマーなどを制したウインマリリンや、先日の札幌クイーンSを制したコガネノソラ、福島でラジオNIKKEI賞を制したウインマーレライなどがいる。
この牝系は牝祖エイプリルワンダーが持つフェアトライアル≒フェロッシャー2×2という強烈なニアリークロスが特徴的。フェアトライアル的、レディジュラー的な機動力を受け継ぎやすいため、コーナリング性能が高く、直線の長い大箱よりも小脚が活きる条件で輝く傾向にある。先に挙げた3頭の重賞勝ち鞍を見ても、そのキャラクターはお分かりいただけるはずだ。
その一方で、3歳春までの牝馬のビッグレースは基本的に大箱ばかり。コラソンビートにとって適性からズレる条件だったと言わざるを得ない。
今回は中山マイルに替わるのが何よりの好材料。コスモチェーロ的な機動力を活かせるコースであれば十分に変身が見込めるはず。
軽快なスピードが武器のヘイローの血を4本引いており、開幕週の良好な馬場でフワッと先行させればここはチャンス。内を捌く競馬もフィリーズレビューで経験済みで、枠がどこだろうと競馬ができそうなのも魅力的だ。
そのうえスワーヴリチャードの産駒で、注目ポイントとした「トニービン持ちの先行馬」にも合致するとくれば、これはまさに条件ドンピシャ。前走16着もお構いなしに狙うしかないだろう。
あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。
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著者プロフィール
ドクトル井上 【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。