大谷翔平選手は、野球界で前例のない二刀流(投手兼打者)としての活躍を続けており、そのキャリアで数々の偉業を達成してきた。今回はそんな彼の活躍を振り返っていきたい。波乱のドラフト会議(2012年)花巻東高校では最速160キロの剛腕投手として、…
大谷翔平選手は、野球界で前例のない二刀流(投手兼打者)としての活躍を続けており、そのキャリアで数々の偉業を達成してきた。
今回はそんな彼の活躍を振り返っていきたい。
波乱のドラフト会議(2012年)
花巻東高校では最速160キロの剛腕投手として、チームを牽引し甲子園でも活躍を見せていた大谷。
高校最後の大会を終え、卒業後のMLB挑戦を表明していた。
しかし2012年10月、ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズが1位で大谷を指名する。
初めはMLB挑戦の意思を変えなかった大谷であったが、当時ファイターズの監督であった栗山英樹は投手、野手の両方でプレーを行う「二刀流」を提案し、大谷を説得。
そして、12月に大谷の北海道日本ハムファイターズ入団が発表された。
NPB時代(2013年~2017年)
プロ1年目を迎えた2013年。大谷は開幕戦「8番・右翼」で野手としてデビューしプロ初安打を記録。
5月には投手としてプロ初登板を果たした。オールスターゲームにも選出され、敢闘選手賞を受賞。
二刀流挑戦のルーキーシーズンは投手として3勝、野手として3本塁打を記録し華々しいデビューを飾った。
プロ2年目には、二桁勝利&二桁本塁打を達成。3年目には投手として15勝を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手タイトル三冠を達成するなど、着実にステップアップを見せた。
そして迎えたプロ4年目、投手として10勝、野手としては22本塁打とチームの投打の主軸として活躍し、北海道日本ハムファイターズのリーグ優勝&日本一に大きく貢献した。
リーグMVP&史上初の2ポジションでのベストナインを受賞。また、クライマックスシリーズでは日本人投手最速となる球速165km/hを計測した。
プロ5年目は足の怪我の影響で出場機会が限られたが、翌年からのMLB挑戦を表明した。
MLB時代(2018年〜)
大谷はロサンゼルス・エンゼルスと契約し、2018年にMLBデビューを果たす。
「二刀流」として活躍を見せる大谷は投手として4月にはAL月間最優秀新人に選出。
最終的に投手として4勝2敗、防御率3.31、打者としては打率.285、22本塁打を記録し、アメリカンリーグ(AL)の新人王に輝いた。
2019年、2020年は怪我の影響があり、投手として思うように活躍できなかったが、怪我からの回復が進み迎えた2021年、大谷は歴史に残るパフォーマンスを見せる。投手としては9勝2敗、防御率3.18、打者としては打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁を記録。オールスターゲームでは、史上初めて「投手兼指名打者」として出場し、日本人として2001年のイチロー以来となるシーズンMVPを受賞した。また、MLBコミッショナー賞も受賞するなど多くの栄誉を手にした。
翌年2022年には投手として15勝9敗、防御率2.33を記録し、打者としても34本塁打を放つなどさらなる進化を見せた大谷。MLB史上初となる、「規定投球回と規定打席の両方を満たしたシーズン」を達成し、圧倒的な二刀流の才能を証明した。
2023年3月、野球の国際大会である第5回WBCが開催される。WBC初参加となった大谷は投打でチームを牽引。先発投手として3試合に登板し、3番打者として打率.435を記録するなど侍ジャパンの優勝に大きく貢献した。
2023年シーズンも二刀流としての活躍は止まらない大谷は、投手として、10勝を挙げ、打者として打率.304、44本塁打を記録。日本人史上初のMLB本塁打王を獲得し、自身2度目となるシーズンMVPを満票で受賞した。
2023年オフ、FAとなった大谷は、ロサンゼルス・ドジャースへの移籍を決意する。
右肘故障の影響で新天地1年目の2024年は野手としての出場のみとなっているが、8月時点でMLB史上2人目の「42-42」(42本塁打&42盗塁)を達成するなど、今年も野球界を席巻している。
大谷の今後の活躍に世界から多くの注目が集まるだろう。