28日(日本時間29日未明)開幕のパリ・パラリンピックに、静岡県ゆかりの選手11人が挑む。東京大会では、日本選手団が獲得した金メダル13個のうち6個を県出身の4人がもたらした。4人は連続出場を果たし、パリでも頂点をめざす。 ボッチャの杉村…

 28日(日本時間29日未明)開幕のパリ・パラリンピックに、静岡県ゆかりの選手11人が挑む。東京大会では、日本選手団が獲得した金メダル13個のうち6個を県出身の4人がもたらした。4人は連続出場を果たし、パリでも頂点をめざす。

 ボッチャの杉村英孝選手(TOKIOインカラミ)=伊東市出身=は東京大会の個人戦で、この競技で日本人初の金メダルに輝いた。パリでは個人戦(脳性まひBC2)連覇と団体戦優勝を狙う。得意技は、投げた球をコート内に密集している球に乗せる「スギムライジング」。「どこの国もレベルが高くなっていて厳しい戦いになるが、予選から決勝戦のつもりで一戦一戦、大事に戦っていきたい」と力を込める。

 水泳の鈴木孝幸選手(ゴールドウイン)=浜松市出身=は過去5大会で金2個を含む10個のメダルを獲得したパラ競泳界のレジェンド。男子50㍍自由形(運動機能障害S4)など5種目に出場する予定。「出場する以上は全種目でメダルをめざす」と誓う。

 東京大会で陸上2冠の佐藤友祈選手(モリサワ)=藤枝市出身=は男子400メートルと100メートル(車いすT52)に出場する。前回優勝の1500メートルはなくなったが、「(東京大会からの)3年間の集大成として二つの金メダルを持ち帰りたい」と意気込む。

 東京大会で自転車2冠の杉浦佳子選手(総合メディカル)=掛川市出身=はトラックとロードの5種目(運動機能障害C1~3)に出場する。東京大会で日本人のパラリンピックでの金メダル獲得最年長記録を更新。パリでも記録更新をめざす。

 団体競技では、車いすラグビーの若山英史選手(静岡銀行)=沼津市出身、清水町在住=が4大会連続で出場する。リオデジャネイロ大会、東京大会での銅メダルの悔しさをバネに、「準決勝の壁を破り、表彰台の最も高い場所に上がりたい」。

 馬術には、県内を拠点とする稲葉将選手(シンプレクス・ホールディングス)、吉越奏詞選手(小泉)が出場する。「オリンピックでは総合馬術団体で92年ぶりのメダルを獲得し、いい流れがきている。自分のベストな演技がベルサイユの舞台でできるように頑張りたい」と稲葉選手。

 柔道の土屋美奈子選手(シンプレクス・ホールディングス)=伊豆市出身=は3回目の出場。「得意技を研究されるようになったので、パリでは意表をつくような技で、こんなことを土屋はやってこなかったぞっていうところも表現できたら」

 水泳の芹沢美希香選手(宮前ドルフィン)=沼津市出身=、自転車の川本翔大選手(大和産業)=伊豆市拠点=にもメダルの期待がかかる。島田樟誠高出身で、カヌーの高木裕太選手(インフィニオンテクノロジーズジャパン)は2大会連続の出場となる。(青山祥子)