ウィリアムズはコラピントの起用を決断。次戦のイタリアGPから参戦する(C)Getty Images F1のウィリアムズは8月27日、レギュラードライバーだったローガン・サージェント(米国)に代わって次戦イタリアGP(9月1日決勝)か…

ウィリアムズはコラピントの起用を決断。次戦のイタリアGPから参戦する(C)Getty Images

 F1のウィリアムズは8月27日、レギュラードライバーだったローガン・サージェント(米国)に代わって次戦イタリアGP(9月1日決勝)からF2に参戦するアルゼンチン生まれのフランコ・コラピント(21)を起用すると発表した。同チームのアカデミー出身で、今季のF2では初優勝も記録している。同国籍のF1ドライバーが誕生するのは2001年のガストン・マッツァカーネ以来、実に23年ぶりだ。

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 同チームのジェームス・ボウルズ代表は「シーズン途中での交代は軽々しく決定できるものではないが、ウィリアムズにとっては残りシーズンでポイント争いをする絶好の機会」とコメント。サージェントは今季ノーポイントで前戦オランダGPのフリー走行では大幅にアップデートしたばかりのマシンをクラッシュさせる事態を引き起こし、首脳陣の信頼を失墜させた。

 コラピントは「ウィリアムズからF1にデビューできるなんて光栄なこと。夢がかなった」とチームを通じて喜びの談話を発表した。オランダGP中にはサージェントの解雇説が浮上し、後任候補として元F1王者ミハエル・シューマッハーに長男で元ハースのミック・シューマッハー(ドイツ)、レッドブルでリザーブを務め、昨季F1デビューも果たしたリアム・ローソン(ニュージーランド)の名が欧州のメディアで挙がっていたが、予想を覆してウィリアムズはまっさらのルーキーを起用した。

 アルゼンチンは初代F1世界選手権王者のファン・マヌエル・ファンジオや、1970年代を中心に活躍しF1通算12勝を記録し、引退後は政治家になったカルロス・ロイテマンを輩出したが、その後は有力な選手が出ず、1990年代には日本のトップフォーミュラの経験もあるノルベルト・フォンタナやエステバン・トゥエロがデビューを飾ったが、鳴かず飛ばずに終わった。マッツァカーネもF1参戦2年目のシーズン途中に成績不振を理由に解雇された。

 ただ、ウィリアムズの来季シートは現レギュラーのアレクサンダー・アルボン(タイ)とフェラーリから移籍するカルロス・サインツ(スペイン)の2人で確定しており、コラピントもシート安泰は今季限り。それでもアルゼンチン紙『ラ・ナシオン』(電子版)は「日曜日にアルゼンチンのドライバーはグランプリのグリッドに23年ぶりに戻ってくる。何千人ものモータースポーツファンがファン・マヌエル・ファンジオ、(F1通算2勝の)ホセ・フロイラン・ゴンサレス、カルロス・ロイテマンらの栄光の時代のような鼓動を再び高鳴らせることになるだろう」と伝えるなど、久々のF1ドライバー誕生に歓喜している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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