「ラグビー・パシフィックネーションズカップ・1次リーグ、日本代表55-28カナダ代表」(25日、バンクーバー) 待望のテストマッチ初白星だ-。プールBの初戦で世界ランキング14位の日本は同21位のカナダを55-28で破り、白星発進を決めた…

 「ラグビー・パシフィックネーションズカップ・1次リーグ、日本代表55-28カナダ代表」(25日、バンクーバー)

 待望のテストマッチ初白星だ-。プールBの初戦で世界ランキング14位の日本は同21位のカナダを55-28で破り、白星発進を決めた。昨年のワールドカップ(W杯)後、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(64)体制となってテストマッチで初めての勝利を挙げた。前半に5トライを挙げ、38-7で折り返した。後半はミスが目立ち3トライを許したが逃げ切った。エディーHCは「今回の結果をもって、自分たちの求めているスタイルを協調、精査してさらに良くしていきたい」と語った。次戦は9月7日に埼玉・熊谷ラグビー場で米国と対戦する。

 新生エディー・ジャパンが、貫き通した超速ラグビーで待望のテストマッチ初勝利を挙げた。序盤からフィジカルで勝るカナダ相手にスピードで崩し、前半だけで5トライを奪取。エディーHCは「前半は集団的なスピードを持って、うまくプレーできた。この点では世界一になれる、日本人に合ったスタイルだ」と確かな手応えを語った。

 ヘッドコーチに復帰後、代表の高齢化を問題視し、若手やキャップ数の少ない選手を積極起用してきた。先制点は初キャップとなったWTBマロ・ツイタマだった。この日のメンバーで、通算キャップ数が20を越えたのはフッカーの坂手と主将のSO立川のみで、フレッシュに生まれ変わった姿を見せた。

 ただ、若いチームのもろさも出た。指揮官は「前のめりになりがちだった」と、前半の終盤から攻め急いでミスを連発。失点を重ねて、後半のスコアは17-21と相手に上回られた。手放しには喜べない、ほろ苦い初勝利だった。

 それでもエディーHCは先日にメジャーリーグで史上最速となる40本塁打&40盗塁の「40-40」を達成したドジャースの大谷を引き合いに出して先を見据える。「オオタニがこれほど偉大なプレーヤーになったのは何を打ち、見逃すのか明確な判断ができるようになったからだ。彼は今、30歳。経験が豊富ですが、われわれはまだ発展途上」と説明。長い目で若い選手たちが成長していくことを促した。

 勝利の余韻からか、エディーHCのリップサービスは止まらず。復帰以降、ノンキャップを含め6戦連続で起用している20歳のFB矢崎を“ラグビー界の大谷翔平”候補に指名した。「スピードとパワーをまだまだ伸ばさないといけないが、基礎的なものはとても良い素質を持っている」と、さらなる成長に期待を寄せた。27年W杯でチームを引っ張る新スター誕生へ。ここから第一歩を踏み出した。