セーヌ川で泳いだ選手は、過去の五輪よりも胃腸炎の発生率が高かったという事実が判明した(C)Getty Images パリ五輪ではトライアスロンやマラソンスイミングが行われたセーヌ川の水質問題が物議をかもした。競技後に体調不良を訴える選手が出…
セーヌ川で泳いだ選手は、過去の五輪よりも胃腸炎の発生率が高かったという事実が判明した(C)Getty Images
パリ五輪ではトライアスロンやマラソンスイミングが行われたセーヌ川の水質問題が物議をかもした。競技後に体調不良を訴える選手が出るなど大きな騒動に発展した。
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そんな中、米医療専門サイト「MedPage Today」が、「パリ五輪期間中にセーヌ川で泳いだ選手は、過去の五輪よりも胃腸炎の発生率が高かった」という記事を配信。米国のオリンピック関係者が同メディアにその事実を語ったという。
記事では、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の最高医療責任者であるジョナサン・フィノフ医師が、同メディアの編集長であるジェレミー・ファウスト氏とのインタビューで「(パリでは)トライアスロンやオープンウォータースイミングの競技に参加した選手の約10%が胃腸炎を発症したのに対し、リオデジャネイロと東京の同じ競技に参加した選手の発症率は約1%から3%であった」という事実を紹介している。
同医師によると、米国チームの場合は迅速なPCR検査で病気の原因となった病原体を特定し、抗生物質を使用するかどうかの判断材料にしたという。
また「抗生物質を投与された選手もいれば、投与されなかった選手もいた」とし、具体的な病原体についての詳細は明かさなかったが、少なくとも1つは 「都会の汚れた川で一般的に考えられる病原体」であったと明かしている。
さらに、セーヌ川での競技に参加した五輪代表チームの中には、予防的に抗生物質を服用したチームもあったが、米国は服用しなかったという。
抗生物質はすべてのリスクを排除できるほど広範囲に作用するものではないといい、抗生物質の使用には、細菌叢の変化によって光過敏症、胃腸の不快感、ストレスを引き起こす可能性があるという独自のリスクもあると語っている。
全体的には「胃腸炎に関する問題はごくわずかだった」というが、現地時間8月28日(日本時間29日)に開幕するパラリンピックでも、トライアスロンがセーヌ川で開催される予定となっている。この問題はパラリンピックでも波紋を呼びそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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