パリ五輪という大舞台で自身の思う最高のダンスを披露したガン。(C)Getty Images 36歳のダンサーが披露したパフォーマンスは波紋を広げ続けている。 物議を醸しているのは、パリ五輪で初採用された「ブレイキン」に豪州女子代表として出場…

パリ五輪という大舞台で自身の思う最高のダンスを披露したガン。(C)Getty Images

 36歳のダンサーが披露したパフォーマンスは波紋を広げ続けている。

 物議を醸しているのは、パリ五輪で初採用された「ブレイキン」に豪州女子代表として出場したレイチェル・ガン(ダンサー名:Raygun)のパフォーマンスだ。

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 日本では、緑と黄色の帽子とウエアが「クロネコヤマトの制服と似ている」と話題になったガンだったが、その独創的なダンスは評価を高められず。なんと1次リーグ3試合ともにゼロポイントで敗退。この結果と内容を受け、視聴者から「酔っぱらいのようだ」「なぜオリンピックに出られたんだ」と批判が噴出。その是非も問う世界的な論争が巻き起こっている。

 大会後に「苦しめるのはやめて」とSNSで訴えた本人への誹謗中傷も相次ぎ、擁護する意見も集まった。一方で五輪という大舞台であったことも影響し、豪州国内でもガンのパフォーマンスを問題視する意見は殺到。5万人を超える署名が入った請願書が政府に提出される異例の展開にもなっている。

 一部でガンの代表選出方法への疑問やあらぬ陰謀論を唱える人も登場。騒動の余波は大きな広がりを見せている。そうした中で、パリ五輪の代表決定に影響をもたらした人物からは意外な指摘も飛んでいる。

 ブレイキンのオセアニア予選で審査員を務めたニュージーランド人のテ・ヒリタンガ・ウェピハ氏は、英公共放送『BBC』で「審査員全員がRaygunがオリンピックで絶対に打ちのめされるだろうと話していた。彼女は厳しい戦いを強いられるとわかっていた」と暴露。そして、オーストラリアやオセアニア地域におけるブレイキンの人材難と支援の少なさを嘆いた。

「それでも彼女がオリンピックに出たことは勇敢な決断だったと私は思う。結局のところ、シーンが小さいんだ。実際のところ、なんとか人数を補うために一線級を退いたダンサーも呼び戻さなければならなかったぐらいに人がいないんだ」

 良くも悪くも話題を振り撒き、“時の人”となったガン。彼女の騒動はオーストラリアのブレイキン業界を変えるキッカケとなるのか。ウェピハ氏は「実際、彼女は十分な注目は集めたし、この先に資源を生む可能性だってある。あのダンスがこの地を救うかもしれない」と言うが、果たして――。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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