全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は11日、柔道男子団体決勝が行われ、埼玉栄(埼玉)が大牟田(福岡)を破って初優勝を飾った。男子60キロ級は吉村悠之介(大分・柳ヶ浦3年)、男子66キロ級は福地駿多朗(東京・修徳3年)、男子73キ…
全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は11日、柔道男子団体決勝が行われ、埼玉栄(埼玉)が大牟田(福岡)を破って初優勝を飾った。男子60キロ級は吉村悠之介(大分・柳ヶ浦3年)、男子66キロ級は福地駿多朗(東京・修徳3年)、男子73キロ級は荒川琉正(東京・足立学園3年)がそれぞれ制した。
柔道男子団体を制した埼玉栄のエース平野匠啓(3年)は「初戦から決勝まで、チーム全員が主役だった」と振り返った。その言葉通り、総力を結集してつかんだ頂点だった。
5人制の点取り戦で争う団体戦。決勝は 先鋒の北村斗麗(3年)が技ありの優勢勝ちで先行すると、次鋒の堀悠隼(3年)が大外刈りで一本勝ちした。中堅の平野が引き分けて迎えた副将戦を渡辺蒼織(2年)が合わせ技で制し、試合を決めた。
昨年12月、ジュニア代表合宿中に平野が右肘を脱臼し、戦列を離れた。1年時から団体戦のメンバーを務めてきた主力の離脱は痛かったが、士気は衰えなかった。「平野がいなくても勝てれば、戻ってきたときにもっと強くなると思った」と 饒平名和貴(3年)。日頃の練習への意識は自然と高くなり、チームの地力は確実に上がった
今春、平野が復帰すると、快進撃が始まった。3月の全国高校選手権、7月の金鷲旗に続いてインターハイも制し、高校3冠を達成。川原篤監督は「自分たちが何をすべきか、考えてくれる子供たちだった。指導者冥利に尽きる」と、偉業を成し遂げた選手たちの姿に目を細めた。(緒方裕明)