要所で流れを引き渡さなかった中国。その強さは圧巻だった。(C)Getty Images 日本の前に立ちはだかったのは、やはり卓球大国だった。 現地時間8月10日、パリ五輪の卓球女子団体戦の決勝が行なわれ、世界ランク2位の日本(早田ひ…

要所で流れを引き渡さなかった中国。その強さは圧巻だった。(C)Getty Images

 日本の前に立ちはだかったのは、やはり卓球大国だった。

 現地時間8月10日、パリ五輪の卓球女子団体戦の決勝が行なわれ、世界ランク2位の日本(早田ひな、平野美宇、張本美和)は、同1位の中国(孫穎莎、陳夢、王曼昱)と対戦。序盤から粘りこそ見せたが、セットカウント0-3のストレート負け。無念の2大会連続の銀メダルとなった。

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 個人の世界ランク上位3人を揃えた中国の充実ぶりを感じさせる試合展開となった。日本も随所で好プレーを見せたが、差が開いても粘り、そして追い抜いていく彼女たちの胆力、そして持ち前の強打に屈するしかなかった。

 そして、何よりもその強さを感じさせたのは、試合後の国内メディアの反応だった。中国のスポーツサイト『捜狐体育』は、第1試合のダブルス戦で、張本と早田のペアにゲームカウント3-2で勝利した陳夢と王曼昱のペアの試合運びを「無駄なミスも多く日本に負けるところだった」とあえて叱咤。そして、第2試合で平野にストレート勝ちを収め、流れを大きく手繰り寄せた孫穎莎を「神憑っていた」と激賞した。

「孫穎莎は平野にほとんど何もさせずに圧倒した。この恐ろしいまでの冷酷なパフォーマンスが、平野だけでなく日本に無力感を与えた」

 どれだけ勝とうとも、些細なミスを許さず、厳しくチェックする。これは卓球大国たる所以と言えよう。

 もっとも、「神」を称されるリカバリーを見せた孫穎莎は、中国国営放送『CCTV』のフラッシュインタビューで「ダブルスでの第1試合はとても重要だった。だから、あそこで陳夢と曼昱が勝ってくれたことが大きな自信になった」と回想。同僚のパフォーマンスを称えた上で、「平野との試合は自分のためではなく、国のため、卓球代表のためにプレーしているのだと理解していた。 だから最後まで手を抜かず、1点を積み上げていけた」と力説した。

 国内で論争の火種となりかねない事象もクレバーにいなした孫穎莎。そうした対応力にも、世界1位の矜持が表れているように思えた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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