ショッキングな形でパリ五輪を去ったビネシュ。(C)Getty Images 衝撃の余波はいまだに広まっている。現地8月7…

ショッキングな形でパリ五輪を去ったビネシュ。(C)Getty Images
衝撃の余波はいまだに広まっている。現地8月7日、パリ五輪・女子レスリングのフリースタイル50キロ級決勝を前に体重超過が判明し、当日失格となったビネシュ・フォガト(インド)だ。
【関連記事】「さようならレスリング」体重超過で失格のインドレスリング選手が衝撃の引退表明 「私の勇気は折れました」【パリ五輪】
今大会の1回戦で東京五輪の金メダリストであった須崎優衣から大金星を挙げたビネシュ。そこから怒涛の快進撃を見せ、決勝まで勝ち進んだが、試合当日にまさかの計量失敗……。わずか100グラムの体重超過で、表彰台にも立てなかった。
前日の夜に2キロの体重増加が判明し、そこから激しいサウナセッションに加え、コーチの提案で頭髪も一部をカット。さらに採血までも実行したが、体重は落ち切らず。壮絶な減量に臨んだ本人は、失格後に自身のXを更新。「私は負けてしまいました。ごめんなさい」と謝罪のポスト。「私の勇気もすっかり折れてしまいました。もうこれ以上の力はありません。さようならレスリング 2001-2024」と突然の現役引退を表明した。
血のにじむ努力が報われず、“悲劇のヒロイン”となってしまったビネシュ。彼女の失格劇は当然、母国内で一大ニュースとなった。そして一部ではファンだけでなく、政治家や協会関係者たちが“陰謀”を論じる事態となっている。
収拾が尽きそうにない異常事態。そうした中で失態を受け止めるべきと冷静に語る人もいる。ビネシュにレスリングを叩き込んだ叔父のマハビル・フォガト氏だ。
自身もレスリング選手として活躍した実績を持つマハビル氏は、インドのニュース局『Aaj Tak』で「ビネシュはまだまだプレーできる。引退の決断を変えるべきだ」とメッセージ。一部で激化しつつある陰謀論については「なんといえばいいかわからない。ただ、多くの人々は、政治的立場を示すために彼女に対して陰謀があったと言っている。スポーツに政治を持ち込まないでいただきたい」と断じている。
さらにマハビル氏は「オリンピックには独自のルールがある。だから計量は大きな役割を果たす。もしも、ビネシュに何か問題が起こったなら、彼女自身が出てきて、それを言っていたと思う」とも指摘。そして、「2028年に向けて準備をしてもらいたい。彼女はもっと上手にできるし、一生懸命働いてきたんだ。とにかく今、我々は彼女と共にある」と慮った。
ここ日本を含め、世界で波紋を呼んだ失格劇。本人を含めた関係者の間でショックが癒えるのはまだまだ先だろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「死ぬかもしれない」衝撃の失格処分 須崎優衣を破ったインド女子選手の体重超過は過度な減量が原因だった【パリ五輪】
【関連記事】「フェアではありますが…」インド選手の“当日失格”を受けてリオ金・登坂絵莉が解説「減量の多い選手にとっては過酷」【パリ五輪】
【関連記事】徹夜で断食→断髪しても落ちなかった「たった100グラム」 レスリング決勝で体重超過のインド女子選手に起きた異常事態【パリ五輪】