ビネシュ(左)の減量は相当なハードワークだったことが伝えられている(C)Getty Images 女子レスリングでインド選手の過酷な減量法に注目が高まっている。 東京五輪レスリング、女子50キロ級で決勝に進んだビネシュ・フォガト(イ…

ビネシュ(左)の減量は相当なハードワークだったことが伝えられている(C)Getty Images

 女子レスリングでインド選手の過酷な減量法に注目が高まっている。

 東京五輪レスリング、女子50キロ級で決勝に進んだビネシュ・フォガト(インド)が7日朝に行われた軽量で体重超過により失格となった。

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 ビネシュは6日の初戦で東京五輪金メダリストの須崎優衣に勝利し、一気に決勝まで進んでいたが、2日目の朝に150グラムほど体重が超過したという。

 英紙『Daily Mail』では「ビネシュが入院」のタイトル」でインドメディアを引用する形で詳報。

 6日の試合後は「五輪の金メダル獲得に向けて『血を抜き、サウナで水を抜き、髪を切る』という極端な減量の結果、わずか150グラムの差で失格に終わった」と壮絶な減量の方法について伝えている。

 それは非常に過酷な方法だった。「激しいサウナセッション」に加え、体重が超過していることでコーチが髪を切ることを提案。最終的には採血まで行い、体内バランスを崩してまで、計量に臨んだが、結果は150グラムオーバーと無情な結果になったとされる。

 またそもそもビネシュに関しては出場した50キロ級では本来なく、53キロ級が主戦場だった経緯もある。

 同記事ではインド代表選手団の「チームが夜通し最善を尽くしたにもかかわらず、今朝の彼女の体重は50キロを数グラム、オーバーしていました。ビネシュ選手が失格になったことを残念に思います」との声明も紹介しながら、今回の減量で「彼女の体に衝撃を与えた」としている。

 リオ五輪から3大会連続で出場と祖国の星ともなっていたビネシュの衝撃の失格にインドでも大騒ぎとなっているという。

 ナレンドラ・モディ首相も自身のSNSで「チャンピオンの中のチャンピオン」といたわりの言葉をかけるなど、悲劇のヒロインに同情の声が高まっている。

 失意のビネシュは8日に自身のSNSを通じて「今の私にはこれ以上の力はありません」としてレスリング競技からの引退を表明。目指す金メダルまであと一歩だったところを、無念の敗退となったことで打ちひしがれた様子を見せていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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