金メダルまであと一歩と迫っていたビネシュ。しかし、体重超過でチャンスを失う形となった。(C)Getty Images ショッキングな処分が波紋を呼んでいる。 現地時間8月7日に行なわれるパリ五輪・女子レスリングのフリースタイル50キ…

金メダルまであと一歩と迫っていたビネシュ。しかし、体重超過でチャンスを失う形となった。(C)Getty Images

 ショッキングな処分が波紋を呼んでいる。

 現地時間8月7日に行なわれるパリ五輪・女子レスリングのフリースタイル50キロ級決勝で、サラ・ヒルダーブラント(米国)と対戦予定だったビネシュ・フォガト(インド)が、なんと体重超過によって失格になったと発表された。米スポーツ専門局『ESPN』など複数メディアによれば、リミットを100グラムほど超えていたという。

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 6日に行われた1回戦で、外国勢に94連勝を誇っていた須﨑優衣を破る番狂わせを起こしていたビネシュ。その勢いのままにファイナルまで駆け上がった彼女だったが、まさかの失態によって失格処分に……。これによって準決勝でビネシュに敗れたユスネイリス・グスマン(キューバ)が繰り上がりで決勝に進出。さらに敗者復活戦に回っていた須﨑も、いきなり3位決定戦でオクサナ・リバチ(ウクライナ)と対戦することが決まった。

 競技展開を大きく揺るがせたアクシデント。今回の体重超過は関係者たちにとってもショッキングな出来事だったようだ。インド誌『India Today』によれば、栄養士を務めているディンショー・パルディワラ氏は、ビネシュは前日から一晩中眠らず、計量を乗り切るために食事をカットしつつ膨大なトレーニングを実施。それでも体重が減らなかったために「髪も切り、服も短く軽いものにした。できることはなんでもやった」。

 がしかし、どれだけ努力をしてもリミットには達しなかった。見方を変えれば、厳正なテストが作用した証とも言えるが、やはり当人の衝撃は計り知れない。それを伝えるパリの日刊紙『Lae Parisien』は「彼女は29歳にして初めてのオリンピックでのメダルは確約されていた。しかし、たった100グラムで異例の事態に見舞われたのだ。彼女は悪夢の中にいる」と慮っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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