さまざまな話題が尽きないパリ五輪。(C)Getty Images 花の都パリで100年ぶりに開催されているパリ五輪。各競技で熱戦が繰り広げられている一大イベントに対する評価はさまざまだが、厳しい意見が飛んでいるのも事実だ。【関連記事…

さまざまな話題が尽きないパリ五輪。(C)Getty Images

 花の都パリで100年ぶりに開催されているパリ五輪。各競技で熱戦が繰り広げられている一大イベントに対する評価はさまざまだが、厳しい意見が飛んでいるのも事実だ。

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 そうした中で、競技面において烈火の如く怒りを露わにするのは、ギリシャの日刊紙『Ethnos』のニコス・ジャニディス記者だ。各競技でフランスの代表選手たちが優遇されているかとも思える判定や決定が目立っている点について、こう綴っている。

「フランス人は、恥を知れ! われわれはここ数十年で最悪の五輪を見せられている。何から始めればいいのか。審判の偏った判定からか? それともセーヌ川の汚染の話か?」

 かなりの激怒している様子のジャニディス記者。たしかに今大会は“フランス贔屓”とも取れるような判定が各国メディアでも報じられ、何かと世間で物議を醸しているのは事実だ。日本も柔道の混合団体戦で最終決戦となった「代表戦」を決めたデジタルルーレットによる抽選や、男子バスケの一戦で見られた際どい判定など、フランス戦が問題視される事態は起きていた。

 そうした中で「とくにフランスの選手に関して、審判の偏見が挑発的だ」と断じるジャニディス記者は、柔道の男子90キロ級で母国代表選手のテオドロス・ツェリディスが、準々決勝でフランスのマキシムゲール・ヌガヤプハンボに技ありで敗戦。その原因がジャッジにあったとして、「審判団があらゆる努力でフランスの選手を優遇していたのは確実だ。人間の判断が優先される競技の重大な不正である」と指摘する。

 さらに苦言は続く。水質汚染が問題視されているセーヌ川で競技開催を強行した大会組織委員会について、「なぜ競技を行なったのか」と不満をぶつける。

「泳がなければいけない選手たちは、こう主張するべきだった。“ありがとう。でも私たちは汚れた川には飛び込まない”。大会組織委員会は独自のプロトコルを厳格に実施するため、選手たちの健康を害する行為に躊躇しなかった。大腸菌濃度が非常に高く、依然として泳げる状況ではない。それでもフランス人はまったく気にしていない」

 そして、「パリ大会は少なくとも私がこれまでに見た中で最悪のオリンピックだ」と断じるジャニディス記者は、「フランスの高度な文化と知性の神話は、開会式でこそ完全に失墜しなかったにせよ、大会が進むにつれてゆっくりとセーヌ川に沈んでいる」と総括。最後まで酷評し続けた。

 海外記者やメディアから散々に批判をされているパリ五輪。大会終了まで約1週間を切った中で、どのようなエンディングを迎えるのかに興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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