【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返るレパードS 【Pick Up】ミッキーファイト:1着  父ドレフォンは皐月賞馬ジオグリフを出していますが、平地勝利数の内訳は芝18%、ダートが82%。本質的には…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返るレパードS

【Pick Up】ミッキーファイト:1着

 父ドレフォンは皐月賞馬ジオグリフを出していますが、平地勝利数の内訳は芝18%、ダートが82%。本質的にはパワー型です。「ドレフォン×スペシャルウィーク」の組み合わせは成功しており、勝馬率50.0%、連対率29.2%、1走あたりの賞金額315万円と優秀な成績を収めています。ドレフォン産駒全体の数値はそれぞれ41.8%、18.1%、163万円なので、ニックスといえるでしょう。

 母スペシャルグルーヴはその名から推察されるとおり女傑エアグルーヴの直牝系に属しています。繁殖牝馬としてきわめて優秀で、本馬の他にジュンライトボルト(チャンピオンズC、シリウスS)、グルーヴィット(中京記念)を産んでいます。エアグルーヴ牝系とドレフォンの組み合わせといえばデシエルト(若葉S、グリーンチャンネルC)が有名で、このパターンは出走した5頭中4頭が勝ち上がるという好相性です。

 3着と敗れた前走のユニコーンSは、勝負どころで周りを囲まれる不利がありました。スムーズに進路が開いていれば、ラムジェットには勝てないまでも、2着はあったように思います。

 兄弟やファミリーの質、配合構成、5月5日生まれ、540kgという雄大な馬格から、まだまだ伸びしろはあるはずです。ラムジェット、フォーエバーヤングと激突する10月2日のジャパンダートクラシック(JpnI・大井ダ2000m)が楽しみです。

◆血統で振り返るエルムS

【Pick Up】ペイシャエス:1着

 エルムSと相性のいい血は、ストームキャット、サドラーズウェルズ、ロベルトの3つ。ハイペースで展開する小回りコースの重賞だけに、スピードの持続力を武器とする血が活躍しています。本馬は、父方にロベルト、母方にストームキャットとサドラーズウェルズを併せ持っており、いかにもエルムSに強そうな血統構成です。

 父エスポワールシチーは、中央開催よりもローカルを得意とし、とくに札幌、福島、新潟のダートは成績良好。なかでも札幌ダ1700mは連対率25.6%と優秀です。本馬は昨年のエルムSで8着と敗れていますが、輸送がうまく行かず体調がイマイチだったことに加え、59kgという別定重量がこたえました。今回は体調面に不安がなく、昨年より軽い58kgで出走できたことは追い風でした。これで3つめの重賞制覇。今後も平坦小回りのダート重賞では目が離せません。