(写真:Getty Images) 前回、メルボルンで豪州と戦ったアウェイ戦。結果は引き分け、敵地で最低限の勝ち点1を手…


(写真:Getty Images)

 前回、メルボルンで豪州と戦ったアウェイ戦。結果は引き分け、敵地で最低限の勝ち点1を手にした。一方、本田圭佑を1トップに据え、守備ラインを低めに設定した戦いに、少なからず批判の声も飛んだ。

 率直に、あの戦い方こそがハリルジャパンの現状のベストパフォーマンスだと言える。いつの時代も、守備的な姿勢は揶揄の対象にもなる。ただ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が目指す攻守のテーマ、守備では激しくデュエルを繰り返し、攻撃ではボール奪取後に素早く縦を突く。これを体現するには、前回の豪州戦は非常に効率的な戦いぶりだったのである。

 同じく、ハリルジャパンのベストマッチとして記憶に新しいのが、3月のUAE戦。この試合では、MFに今野泰幸を抜擢し、長谷部誠が負傷離脱する中で中盤の形を“ダブルボランチ+トップ下”から“アンカー+二人のインサイドハーフ”に変更して臨んだ。ここでも吉田麻也率いるディフェンスラインは前述の豪州戦同様、普段より低めの設定。守備の網を張り巡らせ、前線の3人とMF陣が球際を襲い、速い攻撃でゴールに迫った。ハードワークとスピーディーさ。ハリルサッカーの極みだった。

 いずれの試合も共通している要素がある。アウェイゲーム、そして高温多湿ではない試合環境。ハリルホジッチ監督が目指す戦い方は、ボールをつなぐテクニカルなものではなく、カウンターサッカーの色が濃い。縦に速い攻撃はスペースを要するため、自分たちは低く構えて敵をおびき寄せ、相手の背後を狙う。それは特に、相手が積極的に攻めてくる敵の庭に乗り込んでいったときに発揮されやすい。またスプリント回数が増えるスタイルでもあるため、涼しい気候だとより選手の爆発的なプレーが実現できるのである。

 ハリルジャパンはこれまで、ホームで攻めあぐねる傾向が強い。かつての日本はボール主導権を握り強みを出していたが、いまは逆。さらに連日高温多湿な環境でもある。迎える今回の一戦。相手の出方にもよるが、過去の傾向からすれば苦戦も想定される。

文・西川 結城