腕を痛め、万全の状態とは言えなかった早田。その姿を孫穎莎も見逃さなかった。(C)Getty Images 決して万全ではないライバルを思いやる姿に絶対女王たる所以を見た。 現地時間8月2日、パリ五輪の卓球女子シングルスの準決勝が行われ、世界…
腕を痛め、万全の状態とは言えなかった早田。その姿を孫穎莎も見逃さなかった。(C)Getty Images
決して万全ではないライバルを思いやる姿に絶対女王たる所以を見た。
現地時間8月2日、パリ五輪の卓球女子シングルスの準決勝が行われ、世界ランキング5位で第4シードの早田ひなは、同1位で第1シードの孫穎莎(中国)と対戦。序盤から防戦一方となって0-4で敗れた。
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文字通りの圧勝だった。第1ゲームを11-6で制した孫穎莎は、第2、3ゲームを11-8で連取。相手にペースを一切渡さない貫録の試合運びで、最後も11-2で早田を寄せ付けず。日本のエースを退けた。
試合後のフラッシュインタビューで早田は「100%のコンディションではなかった」と告白。そう語る彼女の左腕に巻かれた黒いテーピングが状態の悪さを物語ってもいた。
早田とは国際舞台でしのぎを削ってきた。そんな手の内を知り尽くすライバルの状態を孫穎莎が気づかないはずがない。試合後のインタビューで「左腕の影響を受けていたと思う。だから、試合後に彼女に大丈夫かどうかを尋ねた」と明かした23歳は、「勝ち負けも大事だけど、身体の状態や健康が何よりも重要」と気にかけたのだ。
勝ち負けよりも相手の状態を気にかける。その振る舞いは母国でも大きくクローズアップされている。中国メディア『捜狐』は「孫穎莎は卓球界の希望であるだけでなく、中国スポーツ界の誇りだ」と絶賛している。
「試合後に孫穎莎は勝利を必要以上に誇示しようとはせず、早田ひなに対する気遣いと敬意を示した。握手をしながら互いを称えあった二人のやりとりは観客に感動を与えただけでなく、スポーツ競技における温かさと人間性を表してもいた。孫穎莎は優れた人格者であると同時に、誰もが学ぶべき模範である」
早田との対戦に勝利した孫穎莎。現地時間8月3日に行われる決勝では、同胞の陳夢と対戦するが、彼女はふたたび頂点に立てるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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