2024年シーズンWRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)は、8月2日(金)に7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが、エルフィン・エバンスに8.0秒差の首位。8.6秒差の3番手にもセバスチャン・オジエがつけており、トヨタがトップ3を…

2024年シーズンWRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)は、8月2日(金)に7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが、エルフィン・エバンスに8.0秒差の首位。8.6秒差の3番手にもセバスチャン・オジエがつけており、トヨタがトップ3を独占している。

本格的な森林ステージを走行する金曜日、ユバスキラのサービスパーク北東に位置する「Laukaa(17.96km)」、「Saarikas(15.93km)」、「Myhinpaa(15.51km)」、「Ruuhimaki(7.76km)」の4SSをサービスを挟んでループし、最後にユバスキラ市内の「Harju(2.01km)」で締めくくる9SS、116.33km。SS3/SS7として行われる「Saarikas」は、今回から導入されたニューステージだ。

ユバスキラ周辺は前日夜半から激しい降雨があったうえ、この日も雨が降り続いており、非常に滑りやすいコンディション。これを受けて、すべてのクルーがソフトタイヤ5本を選んでサービスを後にした。SS2、ベストタイムは出走順の不利から久々に解放されたエバンス。0.4秒差でオジエ、1.1秒差でロバンペラ、2.5秒差で勝田貴元と、上位4台をトヨタ勢が占める。

「ひどいコンディションだった、何度もミスした」と振り返ったティリー・ヌービル(ヒョンデ)は4.0秒差の5番手タイムで、前日までの首位から総合5番手にドロップ。この結果、首位にオジエが立ち、2番手にロバンペラ、3番手にエバンス、4番手に勝田というオーダーとなった。今回、トヨタGRヤリス・ラリー1を初ドライブするサミ・パヤリは右リヤをヒットし、ベストから17.8秒差のSS9番手タイムに沈んでいる。



SS3、総合6番手につけていたヒョンデのオィット・タナックがステージ中盤でコースオフし、転倒。マシンは大破し、コ・ドライバーのマルティン・ヤルベオヤが病院に緊急搬送されることになった。一時中断を挟み、ロバンペラがエバンスに0.4秒差をつけるベスト。ロバンペラが首位、エバンスが2番手に浮上し、3.0秒差の3番手タイムでまとめたオジエは3番手に順位を下げた。0.9秒差の3番手タイムのエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)が、スタートから13.5km地点でオーバーシュートを喫したヌービルをかわし、総合5番手に順位を上げた。

依然として雨が降りづづくなか、SS4はエバンスがヌービルに0.8秒差のベスト。スタート前にセットアップを変更したロバンペラは2.0秒差の4番手タイム、これによりエバンスがロバンペラに1.2秒差をつけてトップに立った。続くSS5はロバンペラがヌービルに0.6秒差、エバンスに1.4秒差のベストタイムを獲り返し、再びトップの座を奪還する。ここでは僅差の総合4番手を走行していた勝田が立木に右リヤホイールをヒット。ホイールが外れてサスペンションにまで大きなダメージを負い、ステージを走り切ったものの、リタイアを決めた。

午前中のセクションを終えてロバンペラとエバンスの差はわずか0.2秒。3.0秒差でオジエとトヨタがトップ3を独占。勝田の脱落により、9.7秒差の総合4番手にラッピ、14.1秒差の総合5番手にヌービル、31.3秒差の総合6番手にアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)と、それぞれひとつずつ順位を上げた。



ユバスキラでのサービスを挟んだ午後のセクション、ステージ周辺は再び激しい降雨に見舞われる。迎えたSS6、総合4番手につけていたラッピがコースオフを喫し、立木に激突。右フロントにダメージを負って、リタイアとなった。ベストはパヤリに2.4秒、エバンスに4.5秒差をつけたロバンペラ。ラッピの脱落により、唯一のヒョンデ勢となったヌービルが総合5番手に順位を上げた。続くSS7もロバンペラがエバンスに3.1秒差の連続ベスト。これで首位ロバンペラと2番手につけるエバンスとの差は4.7秒に拡大している。

雨が激しく打ち付けるなか行われたSS8、ヌービルがオジエに1.3秒、エバンスに2.4秒差のベスト。「これだけの雨だとリスクを冒す意味はない」と語ったロバンペラは、3.7秒差の4番手タイム。SS9に入ると、雨が止み太陽が顔を出す。路面が急速に乾きつつあるなか、一番時計をたたき出したのはパヤリ。オジエを0.5秒、ロバンペラを0.6秒上まわる今回初のベストタイムに「なんて言ったらいいか分からないよ! 今日は感情がジェットコースターのように上がり下がりするね(笑)」と、笑顔を見せた。



ユバスキラ市街地を走る「Harju」のショート版、2.01kmのSS10はオジエがベストで締め括った。この結果、首位にロバンペラ、8.0秒差の総合2番手にエバンス、8.6秒差の総合3番手にオジエと、トヨタ勢がトップ3を独占。少し離れた25.5秒差の総合4番手にヒョンデで唯一生き残ったヌービルがつける。以下、フルモー、パヤリ、グレゴワール・ミュンステール(Mスポーツ・フォード)と続く。

競技3日目はSS11〜SS16の6SS、SS走行距離は144.22km。オープニングのSS11は、日本時間8月3日の15時05分にスタートする。

WRCフィンランド SS10後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 58:24.7
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +8.0
3. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +8.6
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +25.5
5. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +48.5
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:31.0
7. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:52.7
8. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:22.0
9. J-M.ラトバラ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +3:46.1
10. R.ビルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:53.3