レスリングの男子団体決勝は鳥栖工(佐賀)が大体大浪商(大阪)を破り、2年連続3度目の優勝を果たした。あまり感情を表に出さ…

レスリングの男子団体決勝は鳥栖工(佐賀)が大体大浪商(大阪)を破り、2年連続3度目の優勝を果たした。

あまり感情を表に出さない鳥栖工の小柴健二監督は勝利の瞬間、長い安堵のため息をつき、こみ上げてくる涙をぬぐった。地元・佐賀での開催で、団体2連覇がかかった試合。その重圧をはねのけて優勝を飾った。

51~125キロの7階級で争う団体戦。大体大浪商との決勝は5人を終えて2勝3敗と、崖っぷちに追い込まれた。それでもチームに焦りはなかった。

80キロ級の伊藤海里(3年)は試合開始から積極的に攻めて10ポイント差をつけ、テクニカルスペリオリティー(テクニカルフォールから改称)で快勝。続く125キロ級の吉田悠耶(2年)も1分あまりで10ポイントを先取し、鮮やかに逆転した。

大会の数日前、今春の選抜大会個人65キロ級王者で主将の松原拓郎(3年)が右肩を痛めた。確実に1勝を計算できたはずのエースは初戦の2回戦から決勝まで棄権を含む全敗だったが、チームメートが見事に穴を埋めた。

「鳥栖工は1人が強いだけじゃなくて、みんなが、ちゃんと強かった」と笑顔を見せた伊藤。王者の力を証明し、再び頂点に立った。(緒方裕明)