第16回レパードステークス(4日/GIII、新潟ダート1800m)にはユニコーンS3着のミッキーファイト、3連勝で2勝クラスを勝ち上がってきたジーサイクロン、青竜S勝ちのソニックスターなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「」を取り上げる。

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■ミッキークレスト

【中間調整】昨年秋の時点でゲート試験は合格していたが、成長を待って今年2月17日にデビュー。4馬身差の快勝を収めた。その後休養でさらに成長を促し、2戦目としてデビュー戦と同じ京都ダート1800mのリステッド、鳳雛Sに参戦。ここでは着順こそ3着とはいえ、勝ち馬には1秒3差と大きく水を開けられている。しかし蹄に弱さを抱え、かなり急仕上げで臨んだ一戦だったし、スタートでは出負けしたことを考えればそこまで悲観視するような内容でもなかったか。そこから中2週で臨んだ自己条件戦は中団待機から自然と番手を上げ、直線で2着馬を抜くだけという順当勝ち。まだ奥がありそうな余力十分の勝ちっぷりだった。

前走後はひと息入れて、このレパードSを本線に7月12日から時計を出し始めている。17日の坂路追いで2F12秒6-12秒2(強め)と加速ラップを披露。坂井騎手が騎乗した24日の1週前追いはCW併せ馬で追走併入。手応えこそ見劣ったが相手が稽古駆けするチカミリオンなら致し方なしだ。ミッキークレスト自身、ラスト1F11秒1(一杯)と上々の数字をマークしていた。

【最終追い切り】負荷は1週前に十分過ぎるほど掛けられており、レース当週は坂井騎手が反応を確かめる程度の内容。坂路単走で、馬場の真ん中をブレの少ないシャープな走りで駆け上がっていく。ラストの促しに手前をスッと替えてからは一気に回転数を上げ、鋭く切れた。いかにも鞍上との呼吸がぴったり合っている印象。

【見解】以前は蹄の不安を抱えていたようだが、この中間の動きなら完全に払拭されたようだ。今週は軽い負荷でもスルスルと機敏に反応し、本番が待ち切れないといった雰囲気。人馬のコンタクトも文句なしと言える。京都での前走は快勝ではあったが、直線では左手前のままだった。今回は初の左回り挑戦となるが、手前のことを考えるとむしろ左回り新潟で走れるのは好都合か。同オーナー(厩舎は別)のミッキーファイトが人気の中心となりそうだが、ファイトは超大型馬の中13週。それを考えると、クレストのほうに食指が動くところだ。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。