カナダは3連勝でグループを突破した(C)Getty Images パリ五輪の女子サッカーで、勝ち点6のはく奪という異例の処分を受け、1次リーグを戦っていたカナダ代表が、3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めた。【関連記事】敵練習をドロ…

カナダは3連勝でグループを突破した(C)Getty Images

 パリ五輪の女子サッカーで、勝ち点6のはく奪という異例の処分を受け、1次リーグを戦っていたカナダ代表が、3戦全勝で決勝トーナメント進出を決めた。

【関連記事】敵練習をドローン撮影! カナダ女子サッカー代表の“スパイ行為”が波紋 スタッフ2名が強制送還に「オリンピックを揺るがす」【パリ五輪】

 カナダ代表チームの関係者が先月中に、五輪初戦の相手、ニュージーランド代表の練習場上空にドローンを飛行させ偵察行為を行っていたとして、国際サッカー連盟(FIFA)がカナダ女子代表の勝ち点6の減点を発表。また、ベブ・プリーストマン監督と、撮影をしたスタッフの資格停止、カナダ・サッカー協会に罰金20万スイスフラン(約3460万円)という処分も科されていた。

 五輪本番で首脳陣がチームを去るという前代未聞の事態の中、カナダはニュージーランド、フランス、コロンビアに対し、いずれのゲームも接戦を演じながら3連勝を飾り、“勝ち点3”を獲得。A組2位でベスト8入りを果たし、東京大会王者の意地を見せた。

 まさに、不利の状況から這い上がった選手たちの奮闘ぶりには、カナダ地元メディア『Daily Hive』も賛辞を惜しまない。

「カナダ女子チームはニュージーランド、フランス、コロンビアを破り、決勝トーナメントに進出するための“完璧な”成績を収めた」

 1次リーグの成績をそのように称える同メディアは、「選手たちはドローンスキャンダルによるフィールド外の混乱を乗り越え、ヘッドコーチや他のサポートスタッフなしで頑張っている。彼女たちは自分のせいではないのに、このすべてに対処しなければならなかった」と振り返っている。

 その上で、決勝トーナメントでの戦いについては、「金メダルへの道は容易ではないだろう。土曜日の準々決勝で、カナダは東部時間午後1時/太平洋時間午前10時に、ランキング4位のドイツと対戦する。その試合の勝者は、アメリカ対日本の勝者と対戦する」として、引き続き苦境が続くものと展望する。

 一方でトピックでは、五輪連覇を目指し必死の戦いを続ける選手のコメントも掲載。2、3戦目で決勝点を挙げているバネッサ・ジルが、「世界は私たちに敵対しているかもしれないが、カナダは団結している。そして、うまくいけば、私たちは最後まで勝ち進むだろう」として、今後への意欲を語ったとしている。

 カナダはニュージーランド戦、2戦目のフランス戦とも、先制を許しながら逆転で制するなど、執念を感じさせる試合を展開し、8強入りを決めた。不測の事態が、チームの結束力をより高めたと言えるかもしれない。準々決勝ドイツ戦での戦いにも大きな注目が集まる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「恥を知れ」怒り冷めないアルゼンチン選手が“ビデオ判定の映像”をSNSに投稿「3年間努力を続けてきたが…」【パリ五輪】

【関連記事】「ほぼ知られていないルールで失格に」男子競泳で"悲劇" 英有力スイマーがまさかのミスに呆然「すぐさま会場のスクリーンを確認した」【パリ五輪】

【関連記事】46秒で棄権して漏らした「不公平よ」の本音 性別不詳の女子ボクサーと対戦した伊戦士が涙「パンチが痛すぎた」【パリ五輪】