楽天・藤井は6回7失点で2敗目、連勝は7で止まった■ソフトバンク 7ー0 楽天(1日・東京ドーム) 楽天の4年目左腕・藤井聖投手の連勝が「7」でストップした。1日、東京ドームで行われたソフトバンク戦に先発し、6回8安打4四死球7失点の乱調。…

楽天・藤井は6回7失点で2敗目、連勝は7で止まった

■ソフトバンク 7ー0 楽天(1日・東京ドーム)

 楽天の4年目左腕・藤井聖投手の連勝が「7」でストップした。1日、東京ドームで行われたソフトバンク戦に先発し、6回8安打4四死球7失点の乱調。4月21日の西武戦(ベルーナドーム)で今季初勝利を挙げて以降、11試合負けなし(7勝0敗)だったが、12試合ぶりに黒星。今季2敗目(7勝)となった。ソフトバンクには、プロ通算9試合目(先発7試合目)で初黒星(2勝1敗)を喫した。

 この日は楽天にとって、年に1試合の東京ドーム開催。今季ホームゲーム最多の4万648人がスタンドを埋めていた。仙台出身のサンドウィッチマンをはじめ、イーグルスファンを公言しているタレントたちの姿もあった。藤井は「自分の連勝より、たくさんの関係者、ファンの方々に来ていただいた中で、情けないピッチングをしてしまい申し訳ないです」と頭を垂れた。

 4年目にして急成長を遂げている。昨年までの3年間で通算14試合(10試合先発)2勝4敗に過ぎなかった男が、今季は27歳にして、この日の試合前の時点で13試合先発、7勝1敗、防御率2.36をマークしていた。今江敏晃監督は試合後、「いつも粘り強い藤井が、今日は粘れなかった。相手も1度やられているので、しっかり対策を立ててきていました。特に左打者は逆方向を狙ってきていた。そこでこちらが同じような攻めをしていたら……」と話した。

 もっとも、藤井自身は警戒しようにも、制球が思うようにいかなかったようだ。「相手が逆方向を狙ってきているのはわかっていましたが、それをうまく利用できず、そのまま打たれてしまった感じです」と振り返った。

 2回に柳町達外野手の右翼線三塁打で先制され、続く3回、先頭の左打者・牧原大成内野手に外角のストレートをレフトへ弾き返され二塁打にされた。2死後、同じく左打者の栗原陵矢内野手に真ん中外寄りのストレートをレフトへ運ばれ、フェンス直撃の適時二塁打。4回にも2死二塁で、牧原大に外角のスライダーを左前適時打され、6回には右打者の甲斐拓也捕手に“逆方向”の右翼席へ、試合を決定づける3ランを運ばれたのだった。

都市対抗以来の東京ドーム「楽しみにしていたし意気に感じていた」

 プロ入り後初の、東京ドームでの登板でもあった。とはいえ、マウンドの形状や雰囲気に戸惑ったわけではない。「都市対抗以来の東京ドームのマウンドを、すごく楽しみにしていましたし、意気に感じていました。残念です」と唇をかんだ。

 そもそも、東洋大時代に同期の上茶谷大河投手(DeNA)、甲斐野央投手(ソフトバンク)らの陰に隠れ、登板機会に恵まれていなかった藤井がプロに注目されるようになったのは、社会人野球のENEOSに進んでから。2020年10月のドラフトで楽天から3位指名された後、同年11月の都市対抗野球大会に出場し、1回戦にリリーフで登板して5回無失点。2回戦もチームは敗退したものの、先発し5回2/3を1失点に抑えていた。

 やられたらやり返す、それができなければ生き残っていけないのがプロの世界だ。今季華々しくブレークし、オールスターにも監督推薦で初出場を果たした藤井にとって、快進撃が一息ついたここからが、真価を問われるところかもしれない。思い出の詰まった東京ドームで、ソフトバンクに初めて黒星をつけられた藤井が、今度は次回対戦へ向けて爪を研ぐ番である。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)