日本とアルゼンチンによる接戦の中で生まれたビデオ判定は波紋を呼んだ。(C)Getty Images 試合展開を左右するジ…

日本とアルゼンチンによる接戦の中で生まれたビデオ判定は波紋を呼んだ。(C)Getty Images

 試合展開を左右するジャッジだっただけに、納得のいかないようだ。

 現地時間7月31日、パリ五輪男子バレーボールの予選リーグ第2戦が行われ、52年ぶりの金メダル獲得を目指す日本代表は、東京五輪で銅メダルを手にした強敵アルゼンチン代表(同8位)と対戦。セットカウント3-1で勝利し、決勝トーナメント進出圏内のC組2位に浮上した。

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 ハイレベルな攻防が繰り広げられたこの一戦にあって、ひとつのジャッジが物議を醸した。第2セット終盤のシーンだ。

 20-19とリードしていたアルゼンチンは、ファクンド・コンテが放ったスパイクがアウト判定となり、日本にワンタッチがあったとチャレンジを要求。リプレー映像を確認した審判団は、日本選手の手にボールは触れていないとジャッジする。

 するとリプレー検証結果を不服としたアルゼンチン側は執拗に抗議。アピールを続けたコンテがイエローカードを受けてもなお食い下がり、タイムアウト突入後にビデオチェックを再要求。一連の抗議行動を問題視した主審は異例のレッドカードを提示。日本に1点が加算され、21-20と逆転に成功した。

 これで集中力が途切れたアルゼンチンの面々は、セットカウント0-2で迎えた第3セットこそ奪い返したものの、第4セットを落として万事休すとなった。

 結果的に勝負の分かれ目となったビデオ判定には、アルゼンチン・メディアは怒り心頭だ。

 全国紙『Ole』は「代表チームは審判の超越的なミスという、ありえない誤審に苦しめられた」と糾弾。「徐々に調子が上向きになっていたなかでミスジャッジが起こり、21-19となるべきところが、20-21に変わってしまった」と判定の重要性を論じた。

 また、アルゼンチンの日刊紙『Infobae』は「アルゼンチンの日本戦敗北を決定付けたVARミスだ」と指摘。「ビデオではボールが日本人選手の指をかすめたのが、ハッキリと確認できたが、テクノロジーによって提供された証拠にもかかわらず日本にポイントが加えられた」と強調し、問題となった場面を“断定的”に伝えた。

 とにもかくにも、アルゼンチンを撃破した日本。これで通算成績を1勝1敗としたチームは、現地時間8月2日に米国代表と対戦する。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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