キャプテンの石川がフェイクセットを見せるなど力と技でアルゼンチンを圧倒した(C)Getty Images パリ五輪のバレーボール男子予選リーグが現地時間7月31日に行われ、グループCの日本代表(世界ランク2位)と同8位のアルゼンチンが対戦し…

キャプテンの石川がフェイクセットを見せるなど力と技でアルゼンチンを圧倒した(C)Getty Images

 パリ五輪のバレーボール男子予選リーグが現地時間7月31日に行われ、グループCの日本代表(世界ランク2位)と同8位のアルゼンチンが対戦し、日本がセットカウント3-1で勝利した。

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 第1セットは、序盤から点の取り合いとなり、髙橋藍のスパイク、西田有志と石川祐希にもサービスエースが決まり、9-9からのラリーで小野寺太志がスパイクを決めて先に10点目を入れると、西田の連続サービスエースで12-9とリードを3点差に広げる。

 後半も西田の高さのあるスパイク、サービスエースがアルゼンチンを苦しめる。石川がブロックタッチを警戒して拳をつくり、指先に触れないようにするなど細かな技も光った。最後は高橋藍がサービスで25-16で先取。1セットだけで7本のサーブでこのセットを取った。

 第2セットはいきなり3点をリードされると、甲斐優斗が五輪初得点を決め、ミドルブロッカーの山内晶大の活躍もあり中盤に追い上げを見せる。12-16でアルゼンチンがタイムアウトを取り、4点差から西田がスパイクを決めるなど5連続得点で追い上げる。キャプテン石川が決めて1点差まで詰め寄ると、石川のフェイクセットから西田が決めて、観客は盛り上がりを見せる。

 石川のフェイクセットには、SNS上で「最高にかっこいい」「石川祐希→西田有志のフェイクセットすごすぎる」「やっぱりフェイクセットが出た瞬間の盛り上がりは凄かった」と、喜びの声が上がった。

 終盤は19-20からアルゼンチンのスパイクがアウトとなり、チャレンジ後にもワンタッチがあったと抗議し、イエローカードを出される事態に。これで20-20の同点。その後、アルゼンチンはベンチで抗議してレッドカードが出されて21点目が入る。石川がフェイント、175センチの関田誠大がブロックを決めてセットポイント。最後は石川が決めて25-22で連取した。

 第3セットは序盤リードを許すが、力と技で攻め込む。西田が強打を打つと見せかけて前に落とすなど、柔軟な攻撃を見せる。しかし、アルゼンチンもサービスエースを決めてくるなど反撃。先に20点目を入れられ5点差という場面で、日本は途中出場の宮浦健人がスパイクを決めるなど流れを呼び起こそうとしたが、先にセットポイントを握られると、18-24でこのセットを奪われた。

 第4セットは序盤の点の取り合いから2点差とされたが、西田のスパイク、アルゼンチンのタッチネットがあって6-6の同点。また1点を返されたが、石川がブロックポイントを決めて引き離されない。西田の力強いスパイクで2点リードし、9-7。

 日本は先に10点目を入れて勢いに乗ると、石川がスパイクを決めてガッツポーズ。苦しい中盤もチームを鼓舞する。小野寺太志、髙橋藍の連続ブロックで16-13。その後、髙橋藍がサービスエースを決め、山内のスパイクが決まるなど、このセットもミドルブロッカーの活躍が光った。終盤はアルゼンチンの粘りを振り返い、最後は宮浦が25点目を入れてこのセットを奪い、3-1で勝利。勝ち点3を手に入れた。
 
 日本はレシーブ力も冴え、全員でボールを拾っていった。初戦の同11位のドイツにはフルセットの激闘の末に敗れて黒星発進となったが、キャプテンを筆頭に見事に修正して東京五輪銅メダルのアルゼンチンを下した。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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