7月27日のスタッド・ランス戦で新たな組み合わせにトライし、今季出場機会の少なかった沖悠哉や梅田透吾、蓮川壮大、成岡輝…

 7月27日のスタッド・ランス戦で新たな組み合わせにトライし、今季出場機会の少なかった沖悠哉梅田透吾蓮川壮大、成岡輝瑠らにも出番を与えて底上げを図ることができた清水エスパルス。これを糧に、8月3日に再開するJ2後半戦に突き進むことになる。

 残りは14試合だが、V・ファーレン長崎や横浜FCなど上位陣との対戦がまだ残っているだけに気を抜けない。昨季も終盤は自動昇格圏内の2位をキープしていたが、最終節で水戸ホーリーホックに1-1で引き分けて4位に転落。J1昇格プレーオフ決勝でも東京ヴェルディにまさかの同点弾を決められ、最高峰リーグ切符を逃しているだけに、最後の最後までスキを作らない戦いが強く求められるのだ。

 24試合終了時点のエスパルスのデータを見ると、総得点42というのは長崎、千葉に続く3位タイ。総失点26の方は8位タイという状況で、攻守両面でもう一段階の引き上げが必要になってくるのは確かだ。

■求められる得点源

 まず攻撃の方を見ると、目下のチーム最多得点者はキャプテン・北川航也の9点。次がルーカス・ブラガの6点。昨季10点の乾貴士が4点、同15点のカルリーリョス・ジュニオが3点にとどまっているのは誤算かもしれない。北川とルーカス・ブラガがゴール数を上積みするのはもちろんのこと、異なる得点源が出てこないと、終盤に向けて厳しくなるかもしれない。

 クラブとしてもそのあたりを考えて、アブドゥル・アジズ・ヤクブを補強したのだろう。ランス戦を見ても前線でタメを作り、迫力を持ってゴールに迫れるのは魅力だ。

 ただ、日本の酷暑の中ですぐに得点を量産できるかどうかは未知数。ランス戦のように外国人選手とつねに共闘できれば意思疎通もスムーズだろうが、北川や乾、矢島らともコンビを組むこともありえるため、コンビネーションを迅速に構築していけるかが気になるところだ。

 ドウグラス・タンキもまだ1点というのは物足りない。長崎のエジガル・ジュニオが14点、ファンマ・デルガドとマテウス・ジェズスが8点ずつ取っているのを考えると、清水の助っ人たちもそれに匹敵する数字がほしい。ここから14試合で彼らがブレイクするかどうか。そこが清水独走の1つのキーポイントになりそうだ。

■「チームの強みになる」

 守備に関しても失点数をより減らしていければ理想的。結果が出なかった6月はチーム全体が間延びし、コンパクトに守り切れないという課題が目についたが、そのあたりは改善に向かっている。

 その前向きな流れを新加入の宇野がより引っ張っていければいい。宇野が宮本航汰、あるいは中村亮太郎とボランチを組んで、相手の攻撃の芽を摘めれば、最終ラインの負担も減るし、守護神・権田修一も相手シュートの的を絞りやすくなるはずだ。

「(禅斗には)ボール奪取を何回もしてもらってすごく助けられた場面もありましたし、ボールを取れる力はすごくある思う。またチームの強みになるのかなっていうのは感じますね」と宮本も宇野加入効果を強く感じた様子。それが本当に公式戦で出れば、失点減につながっていくだろう。

「中断期間にやってきたこと、攻守において狙いにしてきたことが出たのは非常にポジティブだった」と秋葉監督もランス戦後に語っていたが、いい流れを持続できるかどうかが重要だ。

 そのためにも、再開初戦の仙台戦は絶対に落とせない。アウェーのやりづらい環境の中、彼らは「強いエスパルス」を見せられるのか。今後の左右する大一番の戦いぶりをまずはしっかりと注視していきたいものである。

(取材・文/元川悦子)

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