パフォーマンスを最大限に発揮するために、選手村の環境はアスリートたちにとって重要となるが……。(C)Getty Images 連日のように悲喜こもごものドラマが展開されているパリ五輪。出場207か国のアスリートたちが連日活躍を続ける…

パフォーマンスを最大限に発揮するために、選手村の環境はアスリートたちにとって重要となるが……。(C)Getty Images

 連日のように悲喜こもごものドラマが展開されているパリ五輪。出場207か国のアスリートたちが連日活躍を続ける中で、小さくない物議を醸しているのが、問題が相次いでいる大会運営だ。

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 当事者となっている選手たちからも不満の声は尽きない。とりわけ選手村の環境は「最悪」とも指摘され、日々提供されている食事、さらには試合会場までの移動に使用されているシャトルバスの運行状況など改善を求める意見は尽きない。

 ただ、そうした苦情ばかりが目立つ状況を「贅沢な話だ」と断じるアスリートもいる。ドイツの男子フェンシング選手であるマティアス・サボだ。

 今大会こそ出場していないが、2016年のリオ五輪と2021年の東京五輪を経験している32歳は自身の経験をふまえ、母国誌『Spiegel』で「選手たちの苦情は理解できない」と指摘。クレームが相次ぐ環境面に関する問題に「私なら文句を言うことはできない」と持論を展開している。

「私たちフェンシングの選手に普段は料理を作ってくれるコックもいないし、会場までの送迎サービスもないんだ。だから多くの選手たちが言っている文句は理解できないし、個人的には贅沢な悩みだと感じている」

 さらに「私たちが世界的な大都市にいることを忘れるべきではない」と断じたサボは「当然ながらパリほどの街では交通に関して問題が生じることはある。そしてオリンピックに参加するのであれば、そのことは知っておくべきだ」と強調。今大会に参戦している選手たちにいち早く適応する必要性を語った。

 限られた環境下でいかに最大限のパフォーマンスを引き出すか――。選手たちには過去大会以上に適応力が求められているのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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