柔道女子57キロ級決勝でも判定について議論が巻き起こっている(C)Getty Images パリ五輪の柔道競技において、またも審判の判定が物議を醸している。 7月29日に行われた女子57kg級決勝で、カナダの出口クリスタと、韓国の許…

柔道女子57キロ級決勝でも判定について議論が巻き起こっている(C)Getty Images

 パリ五輪の柔道競技において、またも審判の判定が物議を醸している。

 7月29日に行われた女子57kg級決勝で、カナダの出口クリスタと、韓国の許海実が顔を合わせた。延長戦までもつれたこの試合、両者指導2つの状況から、最後は許が偽装攻撃(技の掛け逃げ)により3つ目の指導を受け反則負けという結果に終わっている。

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 決着後は、出口、許とも、静かに歩み寄り握手を交わし、畳を降りた。だが、この審判の判定が「曖昧だった」との異論が挙がっている。韓国メディア『毎日経済新聞』では、試合翌日の7月30日、「許海実、金メダル逃した…繰り返される柔道の誤審論議」と銘打ったトピックを配信した。

 同メディアは、「柔道女子57㎏級で銀メダルを獲得した許海実は、決勝で延長戦まで熱戦を繰り広げたが、審判の曖昧な判定で金メダルを逃した」と報じている。また、「審判が許海実に偽装攻撃という判断を下して指導を与えた。両者が並んで指導2つを受けた状況で、許海実の指導が累積3つとなり反則で敗れた」として、試合状況を説明。

 その上で、韓国柔道女子チームのキム・ミジョン監督による、「見方は違うかもしれないが、許海実は決して偽装攻撃をしようとしたわけではない」とする試合後の訴えとともに、「それでも試合の一部だから仕方ない。次はそのようなことをよく考えて柔道をしたい」などと語っていたという。

 他にも、同メディアは「27日に行われた男子60kg級の試合では、『悪魔の6秒』と呼ばれる誤審論争が起きた」と綴っており、日本の永山竜樹が敗戦を喫した試合における、一連の経緯なども振り返っている。

 さらにトピック内では、試合後には金メダルを掴んだ出口も、この判定について見解を述べていたことも伝えている。「より良い柔道のために私たちが変えなければならないことがあると思う。次のステップに進むために変えなければならないと確信している」と語った出口の言葉を受け、同メディアも「勝者である出口も、審判の基準が曖昧だったと指摘した」と記している。

 パリ五輪の柔道競技はここから後半戦に向かう。これ以上、判定がフォーカスされる事態が相次ぐことは、やはり避けなければならないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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