自身のミスに意気消沈する蘇偉徳。その無念さは察するに余りある(C)Getty Images 7月29日、パリ五輪の体操男子団体総合決勝が行われ、日本が259.594点を挙げ、2大会ぶりの金メダルを獲得した。5種目を終え首位を走っていた中国を…

自身のミスに意気消沈する蘇偉徳。その無念さは察するに余りある(C)Getty Images

 7月29日、パリ五輪の体操男子団体総合決勝が行われ、日本が259.594点を挙げ、2大会ぶりの金メダルを獲得した。5種目を終え首位を走っていた中国を最後の鉄棒で追い抜き、逆転で王座奪還を成し遂げた。

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 橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航の5人で挑んだ決勝。日本は2種目目のあん馬で橋本が落下するミスもあったものの、4種目目の吊り輪を終えた時点で中国に1.799差と食らいつく。しかし平行棒で再び突き放され、その差が3.267点に広がり、日本と中国は最終種目の鉄棒に臨んだ。

 そして、ここから大きなドラマが繰り広げられることに。日本は、杉野、岡が安定した演技をみせた後、中国は2番手の蘇偉徳が2度にわたって落下。痛恨のミスが続いたことにより得点を伸ばせなかった中国に対し、日本は最終演技者の橋本が会心の演技で14.566点をマークし、土壇場で逆転。0.532差で中国を上回り、日本の金メダルが決定した。

 あきらめずにライバルを追いかけた日本の執念が実った一方で、まさかの展開により銀メダルに終わった中国。明暗分かれた結果に対し、中国国内の反応の中では、やはりシビアな声があがっているようだ。

 中国ポータルサイト『捜狐』では、「中国チームは最初の5種目で3.267点の大差をつけてリードしていたが、最終種目の鉄棒で大きなミスが発生した。蘇偉徳が2度落下し、11.600点にとどまったことが響き、中国チームの合計スコアが日本チームに抜かれた」と結末を報じている。

 さらに、「日本は鉄棒で勇敢な演技を見せたが、中国の肖若謄は着地が不安定で13.433点しか取れなかった。続く、蘇維徳は2度も鉄棒から落ちる低調な演技で11.600点にとどまり、日本チームに抜かれた」と説明。その上で、「蘇偉徳はプレッシャーがかかりすぎて予選でミスをし、男子団体決勝では2種目でミスをしている。特に最終種目では鉄棒から落下するというとんでもないミスを2回犯した」などと、悔しさを交え展開を振り返っている。

 同メディアは結果を踏まえ、「オリンピックでは最後の瞬間まで何かが起こる可能性がある」と綴っている。最後まで勝利への可能性を信じ続けた日本チームが、見事に世界の頂点に返り咲いた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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