最終局面で大胆なトリックを成功させた堀米。(C)Getty Images 圧巻の連覇に深夜の列島も沸いた。 現地時間7月29日、パリ五輪のスケートボード男子ストリート決勝が行われ、3年前の東京五輪で金メダルを手にした堀米雄斗が再び頂…

最終局面で大胆なトリックを成功させた堀米。(C)Getty Images

 圧巻の連覇に深夜の列島も沸いた。

 現地時間7月29日、パリ五輪のスケートボード男子ストリート決勝が行われ、3年前の東京五輪で金メダルを手にした堀米雄斗が再び頂に立った。

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 苦しみ抜いた末の金メダル奪取だった。

 22年6月から始まった五輪予選では、膝の負傷なども影響して満足に結果が出せず最終戦前の全7戦で表彰台は3位が1回のみと苦戦。3枠の代表争いの最終戦は日本勢5番手で迎えていた。

 それでも予選最終戦で見事に優勝。なんとか五輪代表に滑り込んだ堀米は、勢いそのままに本選でも本領を発揮した。

 決勝のランでは1回目に89.90点、2回目に68.54点をそれぞれ記録。そして迎えたトリックでは1回目に94.16点を記録したが、その後4回は失敗して絶体絶命の状況に追い込まれる。

 逆転には96.98点が必要だった最後の試技。この苦境で25歳の王者は異彩を放つ。軽やかに滑り出すと、この日全体の最高得点となる97.08を記録する“神業”を披露。世界の熱視線が向けられる中で栄光を掴み取った。

 高難易度の試技を完璧にこなしての戴冠劇を、スケートボードの本場である米メディアも絶賛する。米スポーツ専門局『NBC Sports』は、同国のジャガー・イートンとナイジャ・ヒューストンとの三つ巴の様相を呈した決勝について「本当にスリリングな展開だった」と回想。その上で「最後の最後で、日本人の王者が他のスケーターが誰も挑戦しなかった完璧な技を成功させた」と堀米のパフォーマンスに脱帽した。

 また、アメリカの全国紙『USA Today』も、最終試技で大技を繰り出した堀米の優勝を「信じられないような形での金メダル獲得だった」と強調。「表彰台に上がるためには何か大きな成果が必要だったホリゴメはこれ以上にない完璧な演技を見せ、スケートボードの競技史上最高得点の一つとなる97.08点を獲得した」と土壇場でのドラマチックな展開を称賛している。

 重圧をはねのけ、苦しい局面から這い上がった堀米。まさに土壇場で王者たる所以を発揮した25歳には、ただただ驚かされるばかりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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