全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、6競技が福岡、長崎、大分3県で行われた。バレーボール女子決勝は金蘭会(大阪)が就実(岡山)を破り、2年ぶり3度目の優勝を果たした。優勝を決めた金蘭会の選手たちは、涙を流しながらコートの上…

全国高校総体(インターハイ=読売新聞社共催)は29日、6競技が福岡、長崎、大分3県で行われた。バレーボール女子決勝は金蘭会(大阪)が就実(岡山)を破り、2年ぶり3度目の優勝を果たした。

優勝を決めた金蘭会の選手たちは、涙を流しながらコートの上で抱き合った。「インターハイにかけていた」と主将の西村美波(3年)。思いの強さがあふれ出た。

決勝の相手は、1月の全日本高校選手権を制した就実。そんな強豪に対しても、高いブロックを生かして粘り強くボールを拾い、速攻や大森咲愛(3年)のバックアタックなどコートを広く使った多彩な攻撃につなげて得点を量産した。第1、2セットを競り合いながら奪うと、第3セットはたたみかけるような連続得点で圧倒し、3―0のストレートで完勝した。

西村や大森をはじめ、チームには世代別の日本代表が何人もいるが、インターハイに向けて仕上げる大事な時期に主力が代表活動で離れていた。西村は「大会の始めはうまくかみ合わなかった」と打ち明ける。

それでも1試合ごとに学年関係なく意見を出し合って課題を洗い出し、実戦の中で少しずつ呼吸を合わせながら次々に難敵を撃破していった。

池条義則監督を「一番悪い状態からだったが、一番いいものが最後の試合に出た」と驚かせたタレント集団は、この真夏の急成長を経てもっともっと強くなる。(崎田良介)