初戦のパラグアイ戦の大勝に続いて、3月の親善試合で1-3で敗れたマリとの第2戦を1-0で制し、第3戦のイスラエル戦を待…

 初戦のパラグアイ戦の大勝に続いて、3月の親善試合で1-3で敗れたマリとの第2戦を1-0で制し、第3戦のイスラエル戦を待たずに準々決勝進出を決めた男子サッカー日本代表。『サッカー批評』では、U―23代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)に独占ロングインタビューを敢行した。
 マリ戦では、前半27分にはイエローカードをもらい、後半7分にはマリ選手と頭と頭を激しくぶつけ、しばらく起き上がれないなど、ヒヤリとするアクシデントもあった藤田。勝利のためには体を張ることをいとわない頼れるキャプテンに、最終回となる第7回は、日本代表、そしてプロとしての目標と参考にしている選手、何かと比較されることが多いリヴァプール所属の日本代表・遠藤航に対する思いまで、とことん聞いた!

「要求し合える集団にはなったかな」

――最後にもう一度、日本代表の話を聞かせてください。2022年の東アジア E-1サッカー選手権でA代表にも召集されている藤田選手ですが、五輪代表との差、違いを感じることはありますか?

藤田 自分たちの世代は、もっとできる選手たちが集まっていると思っているので、まだまだだとは思いますが、A代表との差と言われると、分からないですね。

――以前、A代表に召集された後、ピッチでの要求の質の差を感じた、と話されていました。

藤田 その部分に関しては改善されたというか、みんなの意識もすごく高くなってきて、要求し合える集団にはなったかなと思います。

――なるほど。五輪代表は日々、成長しているのですね。では、今後、日本代表がW杯の舞台などで過去の最高成績であるベスト16以上になるために必要なことは、なんでしょうか?

藤田 いや、自分には分かりません。分かっていたら、もう(A代表に)選ばれているはずですから。

――まずは、オリンピックで優勝するということですね。

藤田 そちらの方角を向いてます。

――では、プロとして、クラブチームでの目標を聞かせてください。

「基本、同じポジションなので」

藤田 プレミアリーグでプレーするのが目標なので、それに向けて頑張っています。

――以前、フランス代表のヱンゴロ・カンテ選手を参考にしている、と話されていました。

 身長は168センチと高くないのに、ボール奪取能力に長けていて、相手に寄せるスピードが速くて、常にトップギア。同じような身長の藤田選手はまだ70%から80%。それが100%トップギアでできるようになるために、予測力と決断力、思い切って奪い切る力が大切だと、話されていました。
 2022年からフランス代表から遠ざかっていたカンテ選手ですが、今回のEUROで復活しましたね。

藤田 カンテ選手はすごいと思います。ユーロでも2試合連続でプレイヤー・オブ・ザ・マッチをとった。どうしても点を取る選手のほうが注目されるので、ボランチの選手が2試合連続で評価されるというのはなかなかないと思うので、改めていい選手だなと思いました。

――A代表の遠藤航選手は湘南ベルマーレ、浦和レッズを経て、シント=トロイデン、シュトゥットガルト、そして現在、プレミアリーグのリヴァプールで活躍されています。藤田選手がこれから歩もう、進もうとしている道と、同じようなステップアップの道をたどっているように思います。
 かつて日本を率いたトルシエ監督は「藤田選手は別格。遠藤航選手のイメージと重なる」とも話されています。30歳で移籍して現在、リヴァプールで大活躍されている遠藤選手について、どう思いますか?

藤田 過去にシント(=トロイデン)にいた選手のことを考えることは、あまりないのですが、シントはベルギーの中でも、そんなに強いチームではないし、大きいチームではないですけど、こういったクラブでしっかり活躍して、いい選手に成長できれば、次のステップも見えてくるんだなというのは、遠藤選手を見ていて、改めて感じています。

――今回のパリ五輪ではオーバーエイジ枠(OA枠)は使わないということで五輪代表には入りませんでしたが、遠藤選手と一緒にプレーする機会があったら、藤田選手のレベルアップや刺激にもなるのではないか、といったサッカー識者からの意見もありました。

藤田 どうなんですかね。基本、同じポジションなので、一緒にプレーするのは難しいというか、自分を信じてくれと思うのは、自然なことだと思います。

――もちろんです。では、最後に、パリ五輪日本代表を、そして藤田選手を応援しているファンの人々に向けてメッセージをお願いします。

藤田 そうですね。優勝目指して頑張るので、よろしくお願いします。

藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で才能を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、当時J1の徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスを経て、2023年7月にベルギー1部リーグのシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは、2022年7月の香港戦。4月にカタール・ドーハで開催されたU23アジアカップで、キャプテンとして日本代表を優勝に導き、自身も大会MVPに輝いた。パリ五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では、長短2種類のパスで2アシストし、2-0の勝利に貢献。その広い視野、デュエルの能力、正確な技術、試合の流れを読む洞察力は、A代表の遠藤航(リヴァプール)以上との評価も。大岩剛監督の下、7月25日(パラグアイ戦)からのパリ五輪に挑む。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。

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