さまざまな演出が話題となったパリ五輪の開会式。(C)Getty Images 日本人選手の金メダル獲得など、連日のようにありとあらゆる話題がお茶の間を賑わせているパリ五輪。その幕開けを印象付けたのが、現地時間7月26日にセーヌ川で開催された…

さまざまな演出が話題となったパリ五輪の開会式。(C)Getty Images

 日本人選手の金メダル獲得など、連日のようにありとあらゆる話題がお茶の間を賑わせているパリ五輪。その幕開けを印象付けたのが、現地時間7月26日にセーヌ川で開催された開会式だった。

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 夏季五輪では史上初めて競技場外で実施された今回の開会式は、国際的なゲストの登場や前衛的な演出が大きな話題となった一方、一部の視聴者から反感を買ったのも事実だった。

 ファンを飽きさせない奇抜な仕掛けはあまりにも斬新だった。とりわけ物議を醸したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」の構図をオマージュしたセレモニー終盤の演出だ。

 演出を担当したトマ・ジョリ氏が「フランスには創造や芸術の自由がある。我々には多くの権利があるのだと伝えたかった」と語ったように多様性をアピールすべくLGBTQのダンサーたちが登場。そしてエッフェル塔近くの橋でダンスパフォーマンスを披露。名画「最後の晩餐」の構図を再現した。

 また、演出の途中にはフレンチ・ポップ界を代表するアーティスト、フィリップ・カトリーヌさんが、全身を青く塗った姿で登場。ギリシア神話に登場する「豊穣の神」ディオニューソスに扮したのだが、ほぼ全裸という衝撃のいで立ちは世間を騒然とさせた。

 こうした演出に衝撃は広まり、フランス国内でも一部から批判の声が噴出。フランスのカトリック司祭の団体は「残念ながらキリスト教をからかう場面が含まれていた。深く残念に思う」との声明を発表する異例の事態となっていた。

 世界的な反響を受け、国際オリンピック委員会(IOC)も動き出す事態となった。現地時間7月28日、パリ五輪の広報責任者を務めるアンヌ・デキャンプ氏は、「私たちにはいかなる宗教団体や特定の信念を軽視する意図はない。あれは寛容さと交わりを示すものだった。もしも、開会式で傷ついた人々がいるのなら本当に申し訳ない」と公式に謝罪した。この模様を日刊紙『Le Parisien』などが一斉に報じている。

 この謝罪を受け、フランスのラジオ局『RMC Sport』は「開会式の光景は世界に衝撃を与えるものだった。とくにカトリーヌの姿は特定の人々の感情を傷つけるものだった」と改めて振り返っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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