パリ五輪初戦のパラグアイ戦では5-0の大勝。そして、3月の親善試合で敗れたマリとの第2戦で1-0で勝利し、グループリーグ第3戦のイスラエル戦を待たずに準々決勝進出を決めた男子サッカー日本代表。そのマリ戦で、フィジカルで勝る相手からのボール…

 パリ五輪初戦のパラグアイ戦では5-0の大勝。そして、3月の親善試合で敗れたマリとの第2戦で1-0で勝利し、グループリーグ第3戦のイスラエル戦を待たずに準々決勝進出を決めた男子サッカー日本代表。そのマリ戦で、フィジカルで勝る相手からのボール奪取、広い視野を活かした前線への決定的なパス、ルーズボールを追う献身的なプレーなどで勝利に貢献した、U―23日本代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にロングインタビューを敢行した。
 第6回は、人間・藤田譲瑠チマの「知られざる真実」に迫った。好きなドラマからオフの過ごし方、よく聞く音楽や好きな漫画、意外な愛読書、落ち込んだときの解消法、大事にしているレジェンドの言葉まで聞いた! 

「見ながらグダグダしてます(笑)」

――藤田選手の数多い女性ファンのために、人間・藤田譲瑠チマに関する質問をさせてください。オフは何をして過ごされていますか?

藤田 ドラマとか見ながらグダグダしてます(笑)。

――日本のドラマですか?

藤田 いろんな海外のドラマも見ますし、日本のドラマも見ます。

――最近、よかったドラマはありますか?

藤田 『VIVANT(ヴィヴァン)』を見ました。

――続編も期待ですね。好きな俳優さんが出ているんですか?

藤田 ドラマは見るんですけど、俳優の名前や芸能人の名前は全然、覚えてなくて。バラエティ番組も見ません。テレビもないので。

――なるほど、本当にサッカー中心の毎日なんですね。息抜きの際は、旅に行かれるとの話も。同じシント=トロイデンに所属している鈴木彩艶選手や山本理仁選手、山本選手は今回のパリ五輪代表でもチームメイトですが、2人と一緒に旅行によく行くと聞いております。

藤田 2連チャンのオフがあったら、ヨーロッパ圏内だったら、ほとんど、どこでも行けるので、よく行きましたね。

――思い出に残っている場所はありますか?

「自然と解消されていくのかなと」

藤田 いろいろ楽しかったのですが、フランスのパリは最初に行ったヨーロッパ圏内の国だったんで、記憶に残っています。シャンゼリゼ通りも栄えていて、ベルギーとはちょっと雰囲気が違っていて、すごく楽しかったです。

――ベルギー国内では、ブリュッセルやアントワープにも行かれたとか?

藤田 はい、行きました。アントワープは、景色がすごいきれいだったので、印象に残っています。ベルギーで最初に行った観光地だったので、思い出深いですね。

――では、読むと元気になるマンガや映画、音楽はありますか?

藤田 元気になるという目的で、マンガや映画、音楽を聴かないので、元気をもらというのは、よくわかりませんが、でも音楽を聞くのも好きですし、マンガもけっこう読んでます。

――具体的な作品を教えてもらえますか?

藤田 自分はヒップホップを聞くのが好きなので、日本のヒップホップをよく聞きます。最近はラッパーのKEIJUって人にハマっています。

――マンガはどうでしょう?

藤田 基本、『ONE PIECE(ワンピース)』ですね。サッカーを題材にしたマンガは、『ブルーロック』を読んでます。以前は『アオアシ』も読んでいました。

――では最近、読んでいる本、影響を受けた本はありますか?

藤田 最近は英語の勉強も兼ねて、シャーロック・ホームズを読んでいます。

――名探偵のホームズですか。探偵小説、推理小説ですね。ちょっと意外な感じもします。先ほど、元気をもらうために音楽を聴いたり、マンガを読んだりしない、と話されていましたが、藤田選手は落ち込むことはあるんでしょうか? もし、落ち込んだ場合、どうやって復活するのでしょうか?

藤田 サッカーで落ち込むことは、よくありますけど、自分はサッカーで落ち込んだことはサッカーでしか解決できないと思っているので、自分でいいプレーすることだったり、目に見える成長ができたときに、そういう落ち込みは、自然と解消されていくのかなと思います。

――では、サッカー選手として、大事にしている言葉はありますか?

藤田 ヴェルディの先輩だった大久保嘉人さんと中村憲剛さんと3人で話していたときに、憲剛さんから言われたのですが、ボランチ、守備的MFがボールを持ったときの判断は、第一優先は前、次に斜め前、最悪なのがバックパスだと。
 その考え方は、今も大事にしています。

――では、最後にもう一度、日本代表の話を聞かせてください。

藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で才能を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、当時J1の徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスを経て、2023年7月にベルギー1部リーグのシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは、2022年7月の香港戦。4月にカタール・ドーハで開催されたU23アジアカップで、キャプテンとして日本代表を優勝に導き、自身も大会MVPに輝いた。パリ五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では、長短2種類のパスで2アシストし、2-0の勝利に貢献。その広い視野、デュエルの能力、正確な技術、試合の流れを読む洞察力は、A代表の遠藤航(リヴァプール)以上との評価も。大岩剛監督の下、7月25日(パラグアイ戦)からのパリ五輪に挑む。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。

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