蹴球放浪家・後藤健生にとって、体は資本である。その大事な商売道具をしっかり気遣うことも、仕事の一環だ。たとえば旅先で朝…

 蹴球放浪家・後藤健生にとって、体は資本である。その大事な商売道具をしっかり気遣うことも、仕事の一環だ。たとえば旅先で朝食を取るか否か、その経験の積み重ねも、現在の蹴球放浪家を形作っているのだ。

■とても暖かいものに感じられた東欧の朝食

 2019年にU-20ワールドカップを見に行ったときに泊まった、ポーランド北部グダニスク近郊の民宿でも朝食が楽しみでした。

 郊外の小さな駅を降りて、5~6分ほど歩いた小高い丘の上にある民宿で、年配のご婦人が切り盛りしていました。

 そして、朝食は時間を指定しておくと、そのご婦人が部屋まで持ってきてくれるのです。パンにバターとジャム。しかし、そこにサラダ、ハム、ソーセージ、チーズ類、ミルク、ピクルス、ヨーグルトが付いています。特にこれが美味しいというわけではありませんし、ある意味で日本のビジネスホテルの朝食にも似ているんですが、どこか手作り感があって美味しくいただいたことを覚えています。

 かわいらしい部屋の内装とか、その民宿のおばさんのお人柄などが織なす雰囲気があるからこそ、朝食がとても温かいものに感じられるのでしょう。

■パンが美味しい「ヨーロッパ2つの国」

 国によっても、朝食はさまざまです。

 ヨーロッパ大陸の朝食(コンチネンタル・ブレックファースト)というのは、きわめてシンプルで、要するにパンにバターとジャム。それにコーヒー(またはティー)が付くだけです。

 美味しいか否か。それを決めるのがパンです。

 やはり、パンが美味しかったのはフランスとドイツですね。

 フランスではいわゆるフランスパン。パリパリの外皮と、ふっくらとした中身。しっとりした食感。バターとジャムだけで、美味しくいただけます。

 ドイツでは、小麦のパンだけでなく、大麦やライ麦の茶色のパン。僕は、ライ麦パンが好みです。フランスでも、ドイツでも、どちらもわざわざ着替えて食べに出かけるモチベーションを与えてくれるパンです。

 ちなみに、旧フランス植民地であるベトナムもパンが美味しくて有名ですよね。最近は、フランスパンに具材をはさんだベトナム風サンドウィッチの「バーンミー」が、日本でもお馴染みになりました。

■英国の「フル」ブレックファースト

「コンチネンタル・ブレックファースト」に対して、英国の朝食は「ブリティッシュ・ブレックファースト」とか「フル・ブレックファースト」と呼ばれています。

 ポリッジ(お粥)、シリアル、トーストに、卵、ベーコン、トマトなどが付き、魚の燻製などが付くこともあります。もちろん、食後はティーかコーヒーですね。

 珍しいのは「ブラック・プディン」。動物の(たぶん豚の)血液を固めて作ったソーセージです。

 血のソーセージは、牧畜が盛んなヨーロッパではどこにでもあります。アルゼンチンに行くと、大きなステーキを食べる前に、エントラーダ(前菜)として「モルシージャ」という血のソーセージを食べたりもしますが、朝っぱらから、朝食として血のソーセージを食べるなんて、英国人はいったい何を考えているのでしょう……。が、僕はこれが大好物。英国系の国に行ったときにも、朝食をたっぷり食べることにしています。朝から血のソーセージで腹ごしらえをしておけば、昼飯抜きにすることだって可能ですよ。

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