27日、『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024 powered by docomo』のヴィッセル神戸vsトッテナムが国立競技場で行われ、トッテナムが2-3で勝利した。 昨シーズンのJ1リーグ王者で今シーズンは首位と7ポイント差の4位…

27日、『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024 powered by docomo』のヴィッセル神戸vsトッテナムが国立競技場で行われ、トッテナムが2-3で勝利した。

昨シーズンのJ1リーグ王者で今シーズンは首位と7ポイント差の4位で夏の中断期間に入った神戸は、中断明けの戦いに弾みを付けるべくプレミアリーグ強豪との力試しの一戦に臨んだ。吉田孝行監督は直近の名古屋グランパス戦から先発4人を変更。山川哲史、広瀬陸斗に代えて菊池流帆、鍬先祐弥をディフェンスラインで起用。また、佐々木大樹、ジェアン・パトリッキに代えて飯野七聖、山内翔を両サイドで起用した。

一方、日本と韓国への東アジア遠征中のトッテナムはその初陣に臨んだ。2021年以来、日本での采配となるアンジェ・ポステコグルー監督はユーロ、コパ・アメリカに出場した一部主力や体調不良のヴェルナー、負傷のリシャルリソン、ウドジェを除くメンバー入りさせた。そして、守護神ヴィカーリオ、ペドロ・ポロ、マディソン、ソン・フンミン、クルゼフスキら主力をスタメンで起用した。

[4-4-2]でスタートした神戸に対して、トッテナムはクルゼフスキを最前線に配置した[4-3-3]でスタート。ペドロ・ポロとベン・デイビスの両サイドバックが同時に中盤の内側に入り、2バックに近い形でボールの前進を図る。

一方、神戸は立ち上がりから要所でアグレッシブな守備でボールを奪うと、右サイドで高い位置を取る飯野と大迫勇也、武藤嘉紀の2トップで続けて決定機を創出。ボックス内で武藤、飯野とシュートを放つが、仕留め切れない。

それでも、優勢に進めるJ1王者は早い時間帯にゴールをこじ開ける。9分、右サイドのスペースでボールを受けた飯野がボックス手前で左足に持ち替えてクロスを供給。ファーに流れたボールに味方は反応せずも、慌てて対応したサールのクリアミスがゴール前の大迫の足元に転がると、神戸の10番が冷静にゴール至近距離から右足シュートを突き刺した。

いきなりビハインドを背負ったトッテナムは、徐々にギアを上げて攻勢を強めていく。すると16分、右サイドで押し込んだ流れからブレナン・ジョンソンからの横パスをクルゼフスキが足裏を使ってボックス内に流すと、ポロが深い切り返しでDFを外して左足シュートを流し込んだ。

すぐさま1-1のイーブンに戻したプレミアの強豪は自慢のボールプレーヤーが相手守備の矢印を折るプレー、効果的な3人目の動きを使って一気に局面を打開。とりわけ、マディソン、クルゼフスキ、ソン・フンミンのトライアングルを起点に鮮やかな連携からゴールに迫っていくが、GK前川黛也や初瀬亮の好守など神戸の粘りを前に逆転ゴールには至らず。

前半半ばから終盤にかけてもトッテナムペースが続くが、神戸も相手のウィークであるサイドバックの背後を使った仕掛けから飯野や山内が良いシーンを作り出し、1-1のままハーフタイムを迎えた。

迎えた後半、トッテナムは4人を変更。GKをオースティンに入れ替えたほか、ビスマ、マディソン、ベン・デイビスの主力に代えてスキップとベリヴァル、ドンリーの若手を投入した。

対する神戸は一気に6枚替え。大迫や武藤、GK前川ら主力を下げて山川、岩波拓也、佐々木らが投入された。

後半も主導権を握るトッテナムは開始早々に主役が魅せる。48分、ポロのスルーパスで右サイドのスペースに抜け出したブレナン・ジョンソンがGKとディフェンスラインの間へ丁寧なグラウンダーのクロスを供給。これをファーに走り込んだソン・フンミンが冷静に右足ワンタッチでゴール右隅へ流し込んだ。

開始早々に逆転に成功したポステコグルーのチームは危なげなくゲームを進めていく。そして、61分にはソン・フンミン、ブレナン・ジョンソンがお役御免となり、ソロモン、マイキー・ムーアが投入された。

一方、神戸も徐々に反撃を見せ始める中で同点に追いつく。64分、中央で起点を作った佐々木から右サイドでボールを受けたジェアン・パトリッキが内側への運びでスキップを剥がして左足シュート。これがゴール前のDFにディフレクトし、ゴール左隅に決まった。

J1王者の粘りで2-2のイーブンに戻った中、両ベンチがここから積極的に交代カードを切っていく。フレッシュな選手の投入で攻勢を強めたトッテナムは、ドンリーの左ポスト直撃のシュートやランクシャーらの再三際どいシュートが神戸ゴールに向かうが、ここはGKオビ・パウエル・オビンナらの再三のビッグセーブに阻まれる。

その後、試合は2-2のイーブンのまま最終盤を迎えたが、トッテナムがPK戦前の土壇場で勝ち越しゴールを奪う。87分、ボックス左に抜け出してポケットを取ったドンリーの折り返しをゴール前のムーアが冷静に押し込んだ。

そして、16歳の逸材のゴールが決勝点となった白熱の一戦はこのままタイムアップを迎え、J1王者を退けたトッテナムが5万4255人の大観衆を前にプレミアリーグ強豪の意地を示した。

ヴィッセル神戸 2-3 トッテナム

【神戸】

大迫勇也(前9)

ジェアン・パトリッキ(後19)

【トッテナム】

ペドロ・ポロ(前16)

ソン・フンミン(後3)

マイキー・ムーア(後42)