<パリオリンピック(五輪):競泳>◇27日◇女子100メートルバタフライ予選◇ラデファンス・アリーナ【パリ=松本航】2大会ぶりの個人種目出場となった池江璃花子(24=横浜ゴム)が準決勝に進んだ。4組に分かれた予選では最終組を泳いで通過し、同…

<パリオリンピック(五輪):競泳>◇27日◇女子100メートルバタフライ予選◇ラデファンス・アリーナ

【パリ=松本航】2大会ぶりの個人種目出場となった池江璃花子(24=横浜ゴム)が準決勝に進んだ。

4組に分かれた予選では最終組を泳いで通過し、同日午後8時半(日本時間28日午前3時半)からの準決勝へ駒を進めた。

4日前の23日、会場で初練習に臨んだ。五輪マークはもちろん、普段はラグビーなどに使用される屋内競技場のスケール感。会場に足を踏み入れると「プールを見た時は鳥肌が立った。ワクワクした気持ちが一番強かったです」と喜んだ。

16年リオデジャネイロ大会以来出場時は、東京・淑徳巣鴨高1年生。7種目を泳ぎ、遠いブラジルから帰国すると、素直な思いがわき出ていた。

「一番感じたのは『メダルを取らなきゃ面白くないな』と思いました。帰ってきた時に『メダルを取った選手はこっち、取っていない選手はこっち』と分けられるんです。それがすごく自分の中で悔しかった。『もう絶対に、次のオリンピックに出たらメダルを取る』と決めていました」

2019年2月、白血病が発覚した。つい半年ほど前のジャカルタ・アジア大会では6冠で大会MVP。20年東京五輪へと進む足取りは変わった。コロナ禍で1年延期となった東京大会はリレーのみの出場。パリでは8年ぶりの個人種目の切符を、自力で手にした。

「世界のレベルが一気に今年上がってきていて。決勝に行きたい目標を立ててたとしても簡単じゃない。しっかり行きたいという強い気持ちだけは、リオの五輪と同じくらい強いです」

東京大会後の3年も、体調が優れない日があった。それでも23年秋にオーストラリアへと拠点を移し、世界トップレベルの選手にもまれる環境を自ら選んだ。

「日本だと追いかけられる側だけれど、オーストラリアは追いかける側。『絶対に追い付いて、日本に帰る』という、強い気持ちを持たせてくれる環境です」

体の内面に備える強い芯。個人種目では2度目の夢舞台が始まった。