初戦パラグアイ戦で三戸舜介、山本理仁の得点をアシストし、5-0の勝利に貢献。パリ五輪でメダルを狙うU-23サッカー日本代表、大岩ジャパンのエースナンバー10を背負う斉藤光毅(22)に、直撃インタビューを敢行。 所属するオランダ1部スパルタ…

 初戦パラグアイ戦で三戸舜介、山本理仁の得点をアシストし、5-0の勝利に貢献。パリ五輪でメダルを狙うU-23サッカー日本代表、大岩ジャパンのエースナンバー10を背負う斉藤光毅(22)に、直撃インタビューを敢行。
 所属するオランダ1部スパルタ・ロッテルダムでは、ハムストリングの手術で4か月のチーム離脱を余儀なくされたものの、22試合で3得点5アシストをマークした。
 第5回は、海外移籍当初の課題と最大の武器であるドリブルの進化からJリーグと海外リーグの違い、ベルギー、オランダへの海外移籍などの転機から、戦線離脱を余儀なくされた今シーズンの舞台裏まで、最強ドリブラーに聞いた!

「よくなっていると信じたいですね」

――斉藤選手は海外移籍した当初、苦しい時間帯、最後の時間に海外の選手はスプリント(時速24キロ以上の速度で、数秒以上走ること)ができるけど、斉藤選手はまだそこが足りていない、といった話をされていました。その課題は、改善されましたか?

斉藤 そうですね。今でもまだまだ課題ですし、90分通して、同じ強度(プレーの強さ、激しさ)、走り切るなどの戦う部分は、まだまだ足りてはいませんが、よくなっていると信じたいですね。

――ただ、ドリブルでずっと仕掛けていると、他の人とは疲労度が違うと思うんですが…。

斉藤 でも、そんなことは言っていられないので。だから、「最後まで走り切って、それでも強度が落ちなくて、すごい」って言われたいですね。「めっちゃ仕掛けてるのに、まだ、こんなに走れるのか」みたいな。

 そうすることで、相手もイヤだろうし、自分の価値もそれによって変わってくると思うので、こだわっていきたいなと思います。

――いいですね。ロッテルダムのトレーナーの先生とは、具体的にどのようなトレーニングをしているのでしょうか?

「サッカーを通して会話はできるので」

斉藤 90分、走り続けるためのトレーニングメニューを組んでもらっています。筋トレや走りのメニュー、試合の中でのペース、心拍数も含めて、やらなければならないことがたくさんあるので、「正解」を目指して、これからも考えながらやっていきたいと思っています。

――海外移籍の当初、言葉の面で苦労していると話もされていましたが、その部分は改善されたのでしょうか?

斉藤 今も全然、話せないので、苦労しているといえばしています(笑)。でも、サッカーを通して会話はできるので。

――ボールを蹴る強さで、会話をすると?

斉藤 ボールを蹴ると、自分のプレーというのを理解してもらえるので、そこで、なんとかやっている感じです。でも、英語は今後、頑張りたいなと思っています。

――では、オランダリーグやベルギーリーグで対戦した選手の中で、「こいつは、すごい」と感じた選手はいましたか?

斉藤 選手個人ではなくて、チームになると強いチームだな~と感じることはあります。対戦するのがイヤだなと思うチームですね。
 PSVとか、リーグ上位にいるチームは本当に勝負強いですし、個(ドルブルやパス、フィジカルなど何か武器を持った選手)がすごく強いので、戦術で「こうやってプレスをかけていこう」となっても、個で剥がされて戦術がなくなってしまう、といったことがあるんです。

――なるほど。

斉藤光毅(さいとう・こうき) プロフィール 2001年8月10日生まれ、神奈川県出身。170センチ、61キロ。犬蔵SCから横浜FCジュニアユースを経て、横浜FCユースへ。下部組織から横浜FCで育ち、18年9月にプロ契約。J2デビューを果たすと、通算31試合で6得点。20年にチームが13年ぶりにJ1昇格を果たすと、J1通算32試合で3得点。19年には、U-20ワールドカップに出場。20年シーズン終了後に、ベルギー2部のロンメルSKへ完全移籍(29試合5得点)。22年6月に、オランダ1部のスパルタ・ロッテルダムにレンタル移籍(32試合7得点)。昨シーズンは、ハムストリングの手術で4か月、戦線を離脱するも、公式戦22試合で3得点5アシストをマーク。オランダメディアが選ぶ年間ベストイレブンに選出された。最大の武器は、ドリブルによる仕掛け。

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