初戦のパラグアイ戦で5-0快勝。メダル獲得へ好スタートを切ったサッカー日本代表のパリ五輪チャレンジ。『サッカー批評』では、U―23日本代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にロングインタビューを敢行。 第5回は現在、ベルギー1部リー…

 初戦のパラグアイ戦で5-0快勝。メダル獲得へ好スタートを切ったサッカー日本代表のパリ五輪チャレンジ。『サッカー批評』では、U―23日本代表でキャプテンを務める藤田譲瑠チマ(22)にロングインタビューを敢行。
 第5回は現在、ベルギー1部リーグのシント・トロイデンで活躍する頼れるキャプテンに、海外移籍から先輩たちのアドバイス、ベルギーリーグとJリーグの違い、記者会見、嫌いな食べ物の克服まで、ガツンと聞いた!

 「食べられる食材は増えました」

――続いては、少年時代の食事について教えてください。
 藤田選手があまり野菜を食べないとお母さまが話されていました。給食で出た嫌いな野菜は、給食当番にお願いして少なくしてもらうか、隣の子にあげてしまうと。また、近年のインタビューでも、ブロッコリーとほうれん草とトマトしか食べないと話されていましたが、その後、野菜嫌いは改善しましたか?

藤田 最近は、料理を作る人を派遣してもらっているので、昔、食べることができなかった野菜も、おいしく調理してもらって、食べられる食材は増えました。自分で料理していたときは、3種類の野菜ばかり食べていました(笑)。

――17歳でトップチームに上がった翌年、当時、J1だった徳島ヴォルティスに移籍。そして22年、横浜Fマリノスに移籍して、横浜FMではボランチの一角としてリーグ優勝に貢献します。そして2023年夏、ベルギーのシント=トロイデンへ海外移籍します。

藤田 先日引退したシント(=トロイデン)の岡崎慎司選手や、時期はかぶっていないのですが、かつてシントにいた香川真司選手にも、海外移籍は早いほうがいいよ、とアドバイスはいただいていました。

――ベルギーサッカーと日本サッカーで、大きな違いはありますか? 

「個人個人で戦う時間帯の割合が多い」

藤田 日本では、組織的にプレーする時間帯の割合が多いと思いますけど、ベルギーリーグは個人戦術というか、個人個人で戦う時間帯の割合が多い印象です。

――現在のチームでは、トップ下としての役割を求められることもあって、ふだんのポジションである守備的MF、ボランチのときよりも苦労している印象もあります。いかがでしょうか?

藤田 昨年はトップ下というわけではないのですが、少し気持ち前気味でプレーすることが多かったので、そこまでやったことないポジションだったこともあって、少し苦労した部分はあります。今年はどうなるか分かりません。

――今シーズンはイタリア人のクリスティアン・ラタンツィオ氏が新監督に就任しました。

藤田 いろいろ挑戦しながら頑張れたらいいなと思います。

――日本代表として、海外で記者会見する際、英語で話されることが多いと思うのですが、何か意識していることがあるのでしょうか?

藤田 会見において英語で話せるか話せないかどうかで、その選手が海外で本気でやるつもりなのかどうなのかも分かると思うんです。会見を見ているクラブチームからの自分の見え方も変わってくると思うので、話せるように勉強をしていますね。かつてフェイエノールトやアーセナルで活躍して、横浜Fマリノス時代に一緒だった宮市亮くんからも、海外挑戦のときの言葉の大切さは聞いていたので。

――なるほど。海外のビッグクラブへ移籍する際の本気度のバロメーターの役割を果たしているんですね。続いては、藤田選手の数多い女性ファンのために、人間・藤田譲瑠チマに関する質問をさせてください。

藤田譲瑠チマ(ふじた・じょえる・ちま)
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は町田大蔵FCでプレー。東京ヴェルディの下部組織で才能を伸ばし、2019年9月にトップチームデビューを果たす。その後、当時J1の徳島ヴォルティスから横浜F・マリノスを経て、2023年7月にベルギー1部リーグのシント・トロイデンへ完全移籍。日本代表デビューは、2022年7月の香港戦。4月にカタール・ドーハで開催されたU23アジアカップで、キャプテンとして日本代表を優勝に導き、自身も大会MVPに輝いた。パリ五輪出場を決めた準決勝のイラク戦では、長短2種類のパスで2アシストし、2-0の勝利に貢献。その広い視野、デュエルの能力、正確な技術、試合の流れを読む洞察力は、A代表の遠藤航(リヴァプール)以上との評価も。大岩剛監督の下、7月25日(パラグアイ戦)からのパリ五輪に挑む。ポジション=MF。身長175cm、体重76kg。

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