TOYOTA GAZOO Racing WRTは、8月1日〜4日にかけてフィンランドのユバスキラを拠点に開催される2024年WRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)に、レギュラーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アー…

TOYOTA GAZOO Racing WRTは、8月1日〜4日にかけてフィンランドのユバスキラを拠点に開催される2024年WRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)に、レギュラーのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンに加え、カッレ・ロバンペラ/ ヨンネ・ハルットゥネン、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデ、さらにこれがラリー1での初めての参戦となるサミ・パヤリ/エンニ・マルコネンと、トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド5台でエントリーする。マニュファクチャラーズ選手権のポイント対象には、エバンス、ロバンペラ、オジエをノミネートする。ロバンペラとオジエは、それぞれの名を冠した特別仕様車にちなんだカラーリングを施したマシンで参戦する。

また、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラが2年連続で選手として地元イベントに参戦。昨年はラリー1マシンで総合5位と大健闘を見せた。今回はGRヤリス・ラリー2で、コ・ドライバーはユホ・ハンニネンが続投する。

(以下チームリリース)



WRC 第9戦 ラリー・フィンランド プレビュー
WRCを代表する超ハイスピードグラベルラリーに
5台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦



TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、8月1日(木)から4日(日)にかけて、フィンランドのユヴァスキュラを中心に開催される2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」に、カッレ・ロバンペラ(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(17号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)、サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン(5号車)の、5台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。TGR-WRTにとってホームイベントとなる超高速グラベルラリーで、シーズン6勝目を目指します。

フィンランド中部の都市、ユヴァスキュラを中心に開催されるラリー・フィンランドは、WRCの中で例年もっとも平均速度が高いグラベル(未舗装路)ラリーとして知られています。森の中を縫うようにして走る道は緩やかな高速コーナーが連続し、路面は全体的にフラット。そのため非常にスピードが乗り、またクレスト(丘)やジャンプなど起伏が多いのも特徴です。

サービスパークが置かれるユヴァスキュラからほど近い場所にヘッドクゥオーターを置くTGR-WRTは、過去6年間で5勝を獲得するなどこのラリーを得意としてきました。今シーズン、GR YARIS Rally1 HYBRIDは第8戦が終了した時点で5勝を挙げており、直近ではラリー・フィンランドと同じく超高速グラベルイベントである第7戦ラリー・ポーランド、第8戦ラリー・ラトビアでロバンペラが連勝。マニュファクチャラー選手権では、首位のチームとの差を1ポイントに縮めました。

今シーズン6勝目と、マニュファクチャラー選手権で首位に立つことを目標に、TGR-WRTは過去最大規模となるGR YARIS Rally1 HYBRID 5台体制でホームイベントに臨みます。ユヴァスキュラ出身の2年連続世界王者ロバンペラは、ポーランドとラトビアでの勝利に続くシーズン4勝目、そして彼自身のホームイベントでの初優勝を目指します。一方、元世界王者のオジエは、彼がキャリア8回目のドライバーズタイトルを獲得した2021年以来となる、フィンランド出場となります。前戦ラトビアでは久々の超高速グラベルラリー出場だったにも関わらず総合2位でフィニッシュし、そのスピードが健在であることを証明しました。なお、今回、彼ら新旧世界王者のラリーカーは、今年の始めに発表された、彼らが監修し名を冠したGRヤリス特別仕様車にインスパイアされた、特別なカラーリングが施されます。













現在、ドライバー選手権で3位につけているエバンスは、2021年と2023年のフィンランドで優勝しており、TGR-WRTの中でもっともこのラリーで成功を収めているドライバーです。そして、フィンランドを拠点にWRCのキャリアを積み重ねてきた勝田は、昨年のこのラリーで3位表彰台を獲得するなど、第2のホームイベントで好成績を残しています。さらに今回は、今シーズンのWRC2にGR Yaris Rally2で出場し2勝をあげている若手のパヤリが、コ・ドライバーのマルコネンと共に、初めてトップカテゴリーにGR YARIS Rally1 HYBRIDでチャレンジします。パヤリのクルマに関しては、ホワイトを基調としたカラーリングが施されますが、それは若く才能のあるドライバーの支援についての、TGR-WRTのコミットメントを示すものです。

フィンランドのラリーファンにとって、もうひとつの大きな話題は、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラが2年連続で選手として地元イベントに出場することです。コ・ドライバーは昨年と同様ユホ・ハンニネンが務め、今回はGR Yaris Rally2による出場となります。ラトバラ以外にも今回は非常に多くの選手がGR Yaris Rally2でエントリーをしています。ポルトガルでWRC2優勝を獲得したヤン・ソランス(テオ・マーティン・モータースポーツ)、フィンランド選手権をリードしているローペ・コルホネン(ラウティオ・モータースポーツ)、先頃開催されたFIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)のラリー・エストニアで総合優勝したゲオルグ・リンナマエ(レッドグレイ)、ラリー・ラトビアのWRC2で2位に入ったミッコ・ヘイッキラ(ステップ・ファイブ・モータースポーツ)、TGR WRCチャレンジプログラムの二期生である山本雄紀と小暮ひかる、エストニア人のグレゴワール・ジーツ(レッドグレイ)、今回がWRC2デビューとなるフィンランド人のユハナ・ライタネン(TGS)と、全部で9台のGR Yaris Rally2がフィンランドの道に挑みます。

例年通り、ラリーは木曜日の夕方にユヴァスキュラ市内でデイ1として競技がスタート。グラベルとターマック(舗装路)の混合路面である「ハルユ」のスーパーSSで幕を開けます。森林地帯での本格的な戦いは金曜日朝のデイ2から始まり、サービスパークの北東に展開する「ラウカー」、「ミヒンパー」、「ルイヒマキ」というクラシックなステージに、新設の「サーリカス」を加えた4本のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、ハルユの2回目のスーパーSSで一日が終わります。競技3日目、土曜日のデイ3は、伝説的なステージである「オウニンポウヤ」と「パイヤラ」、そして「ヴァスティラ」という3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は144.22kmと、4日間で最長のステージ距離を走行します。最終日となる日曜日のデイ4は「サーロイネン-モクシ」と、久々に復活したクラシックステージ「ラーヤヴォーリ」の2本のステージを、ミッドデイサービスを挟むことなく各2回走行。ラーヤヴォーリの2本目、SS20はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。20本のステージの合計距離は305.69km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1372.56kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
我々のホームイベントであるラリー・フィンランドに、5台のRally1カーで臨むのは非常にエキサイティングなことです。実現するためには大変な努力が必要なので、協力してくれているチームの全員に感謝します。 我々のドライバーたちは、全員が良い成績を残したいと強く思っています。カッレは地元での初勝利を狙っていますし、エルフィンは常にこのイベントがお気に入りです。貴元もこのラリーでは好調ですし、セブはしばらくラリー・フィンランドに出場していませんでしたが、もう一度優勝したいと思っているはずです。また、サミが初めてRally1カーで出場するのも非常に興味深いことですし、Rally2からのステップアップに彼がどのように適応するのかも楽しみです。ポーランドとラトビアを終えて、選手権でのポイント差を縮めることができたので自信はありますが、母国開催のイベントは常にプレッシャーがかかるものです。フィンランドの道をリスペクトしなければ、すぐにその代償を払うことになってしまうので、謙虚であることを忘れてはなりません。また、GR Yaris Rally2をドライブする機会を与えてくれた、モリゾウさんには心から感謝しています。フィンランドは私が常に走りたいと思っているイベントですし、それと同時に、ユホと共にRally2で実際に競技に出場することは、我々のカスタマーと経験を共有する良い機会でもあります。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
毎年、ラリー・フィンランドは特別な一戦です。もちろん自分たちのホームラリーですし、多くのファンや家族が集まる素晴らしいイベントのひとつです。いつもエキサイティングで、ステージはとても素晴らしいのですが、非常に難しくもあります。オウニンポウヤのような伝説的なステージがスケジュールに含まれているので、今年はきっと素晴らしいラリーになるでしょう。自分たちのアプローチと目標は、今年出場する全てのラリーと変わりません。優勝するために最善を尽くし、チームに多くのポイントをもたらすことです。自分はこれまでラリー・フィンランドで最高の成績を収めることができていませんが、それを達成するために余計なストレスを感じたくはありません。他のラリーと同じように戦い、ベストを尽くすだけです。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)
私にとってラリー・フィンランドは、常に年間カレンダーのハイライトですし、チームにとっても選手権にとっても重要な一週間となります。過去にもフィンランドでは強さを発揮してきたので、悪くない位置から仕事を開始することができるはずですし、今週行なった事前テストも含めて、わりといいスタートを切ることができていると思います。ラトビアで見られたような路面クリーニングの影響は、このラリーでは通常それほど大きくないため、上位争いをすることは十分可能ですが、金曜日までの天候の推移を見守る必要があります。ステージは最高ですし、何よりも楽しんで走ることがベストなアプローチなので、全体的には、例年と変わらずとても楽しみです。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 HYBRID 17号車)
ラリー・フィンランドは、ドライバーならば誰もが走りたいと思う、選手権の中でも特別なイベントです。また、地元のドライバーが常にとても強いため、難しいラリーでもあります。しかし、私はそのようなチャレンジが好きですし、2年ぶりに再び出場したいと心から思っていました。もちろん、チームにとってのホームイベントでもあるので、この強力なラインナップの一員となることができて嬉しく思います。チームが最高の結果を得られるように、全力を尽くすつもりです。ハイスピードラリーにはしばらく出場していませんでしたが、ラトビアでは速さを発揮することができましたし、良い週末を過ごせたと思うので、フィンランドでも同じように戦えることを願っています。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
フィンランドは、いつも非常に楽しみにしているラリーです。長年フィンランドに住んでいるので、自分にとってはラリージャパンとともに、第二のホームラリーのように感じていますし、昨年表彰台に立つことができたのは本当に大きな出来事でした。今年も昨年同様の結果を残せるように戦いたいと思っていますが、もちろん、多くの強豪ドライバーが参戦するので、そう簡単には行かないでしょう。前戦のラリー・ラトビアでは速さがありましたし、クルマも非常にいいフィーリングだったので、今週初めにフィンランドの道で行なった事前テストでは、それをさらに高めることに努めました。ですので、ラリーに向けては十分自信がありますし、ハードにプッシュし、楽しんで走ることが今から楽しみです。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 HYBRID 5号車)
ここ数週間、ラリー・フィンランドを本当に楽しみにしていました。TGR-WRTの一員として母国イベントでRally1デビューを飾るのは、非常にエキサイティングな瞬間になるでしょう。チームと何度か良いテストを重ねる中で、マシンに慣れるとともにイベント出場のための準備を進めてきましたが、フィンランドのステージは非常にハイスピードで、多くの難しいクレストもあるので、大きなチャレンジになるでしょう。もっともも重要なのは、経験を積み、ラリーを完走することです。もちろん速さも見せたいと思っていますが、最終リザルトに関して目標を設定するのは簡単ではありません。最善のアプローチは、リザルトのことは考えず学びを続け、一歩ずつ進歩することです。